【ワシントン11日=石井恵理菜】訪米中の玉城デニー知事は11日(日本時間12日未明)、米国務省と国防総省の担当者と面談し、県内で相次ぐ米兵による性的暴行事件について直接抗議した。米軍人の綱紀粛正や事件・事故の再発防止に向けて実効性、透明性のある取り組みをするよう申し入れた。
国務省のニコラス・スナイダー日本部長と国防総省のグレース・パーク日本部長が対応した。面談は非公開。
終了後に記者団の取材に応じた玉城知事によると、米側から「凶悪な事件が発生したことは遺憾だ」と言及があったが、直接的な謝罪の言葉などはなかったという。日米で合意した通報体制が機能していなかったことについて改善を求めた。米側からは「懸念を共有している。どのようにサポートできるか検討していきたい」と回答があったという。
在沖海兵隊のグアムへの移転を巡り、具体的なスケジュールを明らかにし、確実に実施するよう求めた。県側は両省に政治任用の次官補級との面会を申し入れたが、両省とも日程上の理由として応じなかった。
要請後、玉城知事は「一定程度、事態の重要性と解決すべき課題への対応が必要だと受け止めてもらえた。われわれがこの間ずっと訴えてきていることが国務省、国防総省にも上がっている」と語った。
国務長官、国防長官宛てに、米軍関係者による事件・事故の防止、沖縄の過重な基地負担の軽減に向け積極的に取り組むよう求める書簡も手渡した。
玉城知事は同日、ジョージ・ワシントン大学でシンポジウムに登壇した。12日午前にニューヨークに移動し、県産品販売促進に向けたトップセールスや、コロンビア大学でのシンポジウムを予定している。