【東京】石破茂首相は9日、官邸で記者会見を開き、日米地位協定の改定について「これから自民党内でコンセンサス(合意)を得ていかなければならない」として先に党内議論を進める考えを示した。「総裁選挙で言ったことを全て実現するというのは、民主主義政党のやることではない」とも発言した。
その上で「地道に議論して党の考え方になった時、公明党との協議を経ながら政府の政策として提案する。丁寧なプロセスを踏んでいきたい」と説明。「民主主義政党であれば当然だ」と強調した。一方、石破首相は党幹事長だった13年に県選出・出身の自民党国会議員5人に辺野古移設を容認させて会見した経緯がある。
9日の記者会見では、自身が防衛庁長官だった2004年に発生した沖縄国際大ヘリ墜落に触れ、日本側の警察が現場に近づけなかったことを問題視。持論である自衛隊の米駐留を挙げ「そういうことが可能かどうか、日米同盟を強化に資するかどうかも含め、自民党内で検討するよう指示した」と述べた。
石破首相は総裁選中に地位協定の改定について検討に着手する考えを示していたが、4日の所信表明演説では改定に言及せず、野党から「後退している」と批判を浴びていた。
(明真南斗)