琉球新報が28日に開いた衆院選当選者座談会には、県内4選挙区と比例代表九州ブロック当選者9人のうち、前職7人、新人1人の計8人が出席した。与党過半数割れとなった選挙結果の受け止めや、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題について議論を交わしたほか、今後の国会活動への抱負・意気込みなど、多岐にわたるテーマについて意見を出し合った。 (敬称略、’24衆院選取材班)
沖縄の閉塞感打破へ 金城氏
―来年の参院選、再来年の県知事選など重要選挙への影響は。
屋良 与党の過半数割れは大きい。野党が結束して頑張る姿を見せ、参院選に臨み、ねじれ状態を作れば、次の解散総選挙で本当の意味での政権交代がみえてくる。
山川 れいわ新選組は3倍増の議席をいただいた。県内でも、重要選挙に向け、擁立が可能であれば調整を進めたい。知事選も可能であれば調整をしていく。
金城 多くの有権者から今の沖縄の閉塞(へいそく)感を打破してほしいとの声を受けた。来年、再来年と続く選挙を通じて沖縄の潜在力をいかしていけるような年にしたい。
赤嶺 参院選、知事選は県民の民意を示す大事な選挙だ。オール沖縄の大事さ、建白書、オスプレイ反対、辺野古新基地建設断念を示せる選挙にしたい。
新垣 与党が大きく数を減らした中で来年の参院選は大きなキーポイント。県民、国民から政治が信頼されていない。県民の思いをくみ取ることが重要になる。
島尻 今選挙で沖縄から自公で5人当選できたことは来年の参院選、再来年の知事選に向けても大きい。GW2050や県全体の基地跡地利用などを進めていく。
国場 参院選候補者を早急に決める必要がある。参院は6年間の任期だ。沖縄の中長期のビジョンを示す大事な選挙になる。適任の人物を探し、公約を作る。
宮崎 今回の選挙で示された民意はもちろん、選挙中に聞かせていただいた声を真摯に受け止めて分析する。その分析を基に、適切な候補者を早急に決めていく。
総合経済対策を出す 宮崎氏
―今後の国会活動への抱負、意気込みは。
宮崎 選挙戦で県民の暮らしを豊かにすると約束した。石破政権下で総合経済対策を出していく。他の人の何倍も働いて沖縄に恩返しがしたい。
屋良 いま物価高で国民生活は相当疲弊している。人への投資をやっていく。輸送コストの軽減や、鉄軌道の実現に向けた議論も巻き起こしていきたい。
山川 デフレ脱却もできず、所得も上がらない自民党政治に終止符を打ってもらう。積極財政支援と、消費税廃止などさまざまな国民目線の政策を国会で訴えたい。
金城 石破首相が所信表明時に話した地方創生について沖縄も期待を持ち、政策を推進する。未来を担う子どもたちが明るい希望を持てる取り組みを進めたい。
赤嶺 国会は与党過半数割れで大激変が起こっている。この中で、沖縄県民が国策の不条理に抗ってきた声をきちんと主張していく場をもっと切り開いていきたい。
新垣 県民の生活をいかに支えていくか。生活に密着する予算をしっかり訴えなければ、沖縄の問題がたなざらしにされるのではないか。
島尻 私の大きな政治テーマは、子どもの夢がかなう沖縄をつくるということ。テーマに沿った政策を進める。政策をバージョンアップし、守備範囲を広くしたい。
国場 強い沖縄経済と、平和創造拠点としての沖縄をつくりたい。所得向上や、最低賃金の引き上げなどができるような事業者支援を徹底してやるべきだ。
当選者座談会出席者
【沖縄選挙区】
1区・赤嶺政賢氏(76)=共産前職、2区・新垣邦男氏(68)=社民前職、3区・島尻安伊子氏(59)=自民前職
※4区の西銘恒三郎氏(70)=自民前職=は日程調整がつかず欠席
【比例代表九州】
国場幸之助氏(51)=自民前職、宮崎政久氏(59)=自民前職、屋良朝博氏(62)=立民前職、山川仁氏(50)=れいわ新人、金城泰邦氏(55)=公明前職
司会 滝本匠琉球新報社統合編集局長