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「はいさい」「はいたい」わらべ歌でうちなーぐち継承へ 沖縄市のこども園  「一歩の会」協力


「はいさい」「はいたい」わらべ歌でうちなーぐち継承へ 沖縄市のこども園  「一歩の会」協力 沖縄わらべ歌「なみなみわんわちゃくり」を歓声上げながら楽しむ年長児=6日、沖縄市の「おきなわ地球こども園」
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 【沖縄】「はいさい」「はいたい」。元気な声があふれる-。沖縄市の社会福祉法人タピック運営の認定園「おきなわ地球こども園」(根路銘沙織園長)は、5年前からわらべ歌遊びのカリキュラムを導入、うちなーぐちへの興味と関心を導く取り組みを行っている。

 導入の保育視点として根路銘園長は(1)健康(2)人間関係(3)環境(4)言葉(5)表現-の5領域を挙げ、「わらべ歌は5領域全てに関わり、子どもたちの心身の成長を促す」と強調する。その観点から「子育ちわらべ歌一歩の会」(比嘉文子代表)に協力を要望した。

 同カリキュラムは毎月1回。比嘉代表(74)、比屋根初子さん(76)、源河和美さん(73)が0歳児から5歳の年長児までを対象に約2時間、日本のわらべ歌に加えて、沖縄のわらべ歌「じんじん」「なみなみわんわちゃくり」などを唱和し、大きな布や、お手玉などの小道具を用いて遊ぶ仕組みだ。

 4歳までは「耳慣(みみな)れー。音を耳で親しむだけでも記憶に残る」と比嘉代表。昔話も取り入れている。年長児の時間では運動会のように歓声が上がるほどにぎやかな雰囲気で盛り上がる。

 5歳の宮城珠々乃ちゃんは「とても楽しい。おじいちゃんと方言であいさつできるようになりたい」と笑顔を見せた。

(左から)比嘉文子さん、比屋根初子さん、源河和美さん

 保育園の職員経験もある比嘉代表は「うちなーぐちを使える世代が急減している」と焦る気持ちを強める。それだけに「子どもたちに耳慣れーしてもらい、少しだけでも継承のきっかけになれば」と願いを込める。

 3人は同時に「ささやかだが、孫と遊んでいるようで逆に元気をもらっている」と毎月の例会を楽しみにしている。

 根路銘園長は「職員も含めて沖縄文化の基本であるうちなーぐちを大切にしていく園にしていきたい」と3人の協力に感謝していた。

 (岸本健通信員)