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アウトドア施設やカフェも視野 「勝連城」整備へ 2028年完成が目標 PFI方式で うるま市 沖縄


アウトドア施設やカフェも視野 「勝連城」整備へ 2028年完成が目標 PFI方式で うるま市 沖縄 市の基本計画に基づくイメージ図(うるま市提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 金盛 文香

 【うるま】うるま市は民間事業者公募の「PFI方式」を活用し、世界遺産である勝連城跡の周辺整備事業に取り組んでいる。PFI法に基づく都市公園の整備は県内初。事業により現在の2倍以上の12.3ヘクタールとなる。完成目標は2028年。勝連城跡の価値保全や伝統文化の発信を通した地域活性化、「滞在型」観光地への転換を目指す。

 周辺整備事業は(1)勝連城跡(2)文化観光施設(3)勝連城跡公園―とエリアを三つに分ける。選定された事業者は文化観光施設内の物販・飲食施設、勝連城跡公園の設計・建設と三つのエリアの維持管理・運営を担う。アウトドア施設やカフェなど、施設の設置は選定業者が自由に提案できる。勝連城跡の価値保全のため、遺構の保存整備やイベントの許認可などは市が担う。

 事業者の選定評価基準には、市内業者の活用や産品使用、雇用創出などの地域貢献も含まれる。地元芸能団体などによるステージやライブの開催などの提案も求めている。

 選定業者は43年まで指定管理者として勝連城跡周辺の維持・管理を担う。資金調達なども選定業者が担う。市は約33億円を上限として同事業に支出する。財源は国の「社会資本整備総合交付金」と一般財源、地方債。

 現在、あまわりパークなどを含む文化観光施設と勝連城跡を合わせた面積は5.5ヘクタールで、市が直営で管理している。勝連城跡は2000年に世界遺産に登録され、来場者は増加傾向にあった。しかし来場者の滞在時間が短く、観光消費につながらないという課題があった。

 勝連城跡の活用は市の重要施策に位置付けられており、12年に整備事業の基本計画が策定された。民間事業者の公募は21年に一度実施されたが、コロナ禍の影響もあり不調となっていた。事業内容を見直し、改めて募集した。

 21年にはあまわりパークを含む歴史文化施設の運用が開始した。資金的な課題を乗り越え、より自由な発想による活用を推進するためPFI方式を導入した。

 (金盛文香)