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歌三線、平和の原動力として 島田さん、元日は辺野古で4年ぶりに演奏 沖縄・宜野座


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歌三線、平和の原動力として 島田さん、元日は辺野古で4年ぶりに演奏 沖縄・宜野座
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 【宜野座】宜野座村松田区の島田忠彦さん(76)の人生には唄三線が脈々と息づく。野村流古典音楽保存会、守禮之邦民謡協会と、古典と民謡において師範の資格を有する。2日に開催された村文化祭では、演目「琉球古典音楽独唱」への出演依頼を受け、「かしかけ」を選曲。琴の師範である妹の大城惠津子さん(与那原町)との共演が実現した。

 気品ある伸びやかな高音の唄声と2人の演奏は、悠久の時が舞台上に流れている感がした。演奏を終えた島田さんは「高音域があと半音、届かなかった」と、会場から完璧に思えた唄声に対してもストイックだった。

 大城さんも故郷宜野座の地で感謝を込めて琴を爪弾き、感慨無量だったという。島田さんは幼少期、家の近くの遊び庭(あしびなぁ)から流れ聞こえる村芝居や芸能から、自然と唱三線に親しんだ。

 元旦は、4年ぶりとなる辺野古の浜での「初興し(ハチウクシ)」が行われる。新しい年の平和を願い、辺野古新基地建設の阻止をあらためて誓う集まりに、島田さんも参加予定だ。座り込みが続く米軍キャンプ・シュワブのゲート前で三線を弾き、座り込みのメンバーらを鼓舞してきた島田さん。「大げさに言うと、三線を通じて沖縄をどうこうしようという発想になる」と話し、「平和の象徴」たる三線を、行動の原動力として鳴り響かせていく。

 (池辺賢児通信員)