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もっと沖縄の声を聞いて 金城大樹(北部報道グループ)<ゆんたくあっちゃ~>


もっと沖縄の声を聞いて 金城大樹(北部報道グループ)<ゆんたくあっちゃ~>
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 大樹

 2023年の年末は怒濤(どとう)の勢いで過ぎていった。名護市辺野古の新基地建設を巡る、県と国の代執行訴訟に関連し、地元住民の声を取材したが、気持ちは晴れない。個人的には「いい正月」を迎えたとは、言い難い年末だった。この記事を書いている今でも、心に靄(もや)がかかっている感覚だ。

 米軍キャンプ・シュワブに隣接する辺野古区は、かつて多くの飲食店が軒を連ね、米兵らでにぎわった。「一夜で家が建つほどもうかった店もある」。同区に住む玉利朝輝さんは、かつての活気を取り戻すため、条件付き容認の立場だ。一方、同じく辺野古に住む西川征夫さんは、一貫して基地反対の立場。その根底には「沖縄を再び戦場にさせない」という強い思いがある。どちらも切実な地元の声だ。

 代執行を巡る一連の記事はSNS上にもアップされた。さまざまなコメントが寄せられたが、多くは「法律を守れ」といったコメントだった。国防という大義のもとに「沖縄は米軍基地を受け入れろ」といった雰囲気を感じざるを得ない。

 基地に対する賛否は分かれて当然だと思っている。しかし、「訴訟に負けたから基地建設は進めて当然だ」という結果論だけではなく、もっと沖縄の声を聞いてもらえないだろうか。

 (名護市、本部町、今帰仁村担当)

私が書きました
金城大樹 名護市、本部町、今帰仁村担当