【受賞団体一覧あり】地域再生大賞に沖縄から2団体が優秀賞 人と人結ぶ支援の輪、広がる


【受賞団体一覧あり】地域再生大賞に沖縄から2団体が優秀賞 人と人結ぶ支援の輪、広がる
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 地方新聞47紙とNHK、共同通信が、地域活性化の取り組みを応援する「第14回地域再生大賞~つながる、多様性が拓(ひら)く」の各賞51団体が27日、決まった。県内からは、NPO法人こども家庭リソースセンター沖縄(與座初美理事長)と共同売店ファンクラブ(眞喜志敦代表)が優秀賞を受賞した。「つながる、多様性が拓(ひら)く」をテーマに、世界を見据え外に開かれた活動や、地域の個性を生かした町づくり、多様な担い手の育成に取り組む団体が選出された。

「みんなで子育て」合言葉に こども家庭リソースセンター沖縄

 「子どもは社会全体で育てる」を合言葉に、NPO法人こども家庭リソースセンター沖縄(與座初美理事長)は、地域の子どもの預かり、相談事業、多胎児育児の支援など多様な活動を行っている。

「子どもはみんなで育てるもの」を合言葉に地域の親子支援を続けているこども家庭リソースセンター沖縄の與座初美理事長(前列中央)と職員、サポーター=18日、沖縄市中央の同センター
「子どもはみんなで育てるもの」を合言葉に地域の親子支援を続けているこども家庭リソースセンター沖縄の與座初美理事長(前列中央)と職員、サポーター=18日、沖縄市中央の同センター

 公的事業としては、沖縄市のファミリーサポートセンター事業を2003年に受託し、約21年間運営してきた。子どもの一時預かり、保育園の送迎などを担うサポーターは292人。依頼側のお願い会員は2782人が登録している。

 公的事業で補えない部分に目を向けた活動も特徴だ。ファミサポの利用料支払いが難しい保護者向けに無料チケットを発行。保護者が役所で手続きをする際の子どもの預かりもしている。

 與座理事長は「身近な課題を見て見ぬふりできず取り組んだら今につながった」と語る。支援した家庭から運動会に呼ばれたり、感謝の手紙が届いたり。センターを拠点に絆が育まれている。

 與座理事長は「一隅を照らす活動だが、明かりは広がっている。家族全体が幸せな状態を目指したい」と展望を広げた。

 (高江洲洋子)

地域の集いの場、魅力発信 共同売店ファンクラブ

 共同売店ファンクラブ(眞喜志敦代表)は、県内各地の共同売店を応援する活動を続けて今年で20年になる。

 眞喜志代表は共同売店について「物を買う場所にとどまらず、地域の集いの場、人と人を結ぶ拠点としての役割を担っている」と意義を語る。

共同売店を応援する活動を続ける「共同売店ファンクラブ」の眞喜志敦代表
共同売店を応援する活動を続ける「共同売店ファンクラブ」の眞喜志敦代表

 本島北部や離島を中心に存在する共同売店は、人口減少や交通網の発達、大型商業施設、スーパー、コンビニなどの台頭で、時代とともに減っている。

 多くのファンをつくることで売店を盛り上げようと、「共同売店愛」に賛同するファン有志と共に、店の訪問数を競うスタンプラリーや、店を絡めて撮影した写真を交流サイトなどで募るコンテストなども開催した。

 店の分布状況が一目で分かるマップを制作し各店舗に無償で寄贈。自由に販売してもらい、収益はそのまま店舗への寄付としている。

 魅力発信に力を注ぐ眞喜志代表は「私たちは共同売店のすごさを伝えているだけ。賞はこれまで共同売店を支えてきた地域の皆さんに届けたい」と話した。

公式サイトで紹介

 第14回地域再生大賞の審査結果と受賞団体の活動は、公式サイト(https://chiikisaisei.jp/)で紹介しています。サイトには、第1回からの受賞団体のデータベースもあり、受賞回、所在地、活動内容から検索できます。各団体の紹介ページには活動の詳細や写真を掲載、ホームページや交流サイト(SNS)へのリンクもあります。今回を含む歴代受賞団体の現況をまとめた電子書籍「まちづくりチャレンジ」は3月に公開予定です。

 地域再生大賞 地方新聞47紙とNHK、共同通信社が地域に活気をもたらす全都道府県の51の団体・プロジェクトを表彰している。2010年度から毎年度開催。大賞、準大賞、優秀賞などを設け、今回までの表彰数は延べ701。分野はまちづくり、福祉・医療、経済振興、文化、環境問題から障害者や外国人支援まで幅広い。新聞記事やホームページなどで詳報している。参加新聞として今回、青森県の東奥日報が加わった。