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浦添市長の「女性蔑視」動画、謝罪後も削除せず 第三者委の議論に注目 市長は「検証待ち、次の判断」<ニュースのつぼ>


浦添市長の「女性蔑視」動画、謝罪後も削除せず 第三者委の議論に注目 市長は「検証待ち、次の判断」<ニュースのつぼ> 浦添市公式TikTok「TikTok市長」のトップ画面
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

 【浦添】女性蔑視に当たるなどと批判を浴びた松本哲治浦添市長のTikTok動画を検証する、第三者委員会「浦添市ソーシャルメディア調査委員会」が19日から始まる。松本市長は動画内容を問題視する報道を受け、謝罪会見を開いた一方で、市内のホテルをPRする動画は削除されず現在も見られる状態だ。市長は「動画を止めると証拠隠滅と思われかねない。(削除は)専門家の検証を待ち、次の判断をしたい」との見解を示し、削除していない。第三者委の議論に注目が集まる。

 目的はイベント誘客

 浦添市公式TikTokは2022年10月、てだこウォークへの誘客を目的に始まった。「面白い市長がいる」という切り口で1分足らずの動画を23年6月末までに25本配信した。

 一方、市議会では「市ではなく市長のPRになっている」との指摘も上がっていた。問題視された動画は、6月27日に「市長が美女とホテルへ」と題した投稿で、市内に新しくできたホテルのPR動画だった。

 松本哲治市長が女性とホテルの部屋に入るように見せかけ、実はホテルの女性従業員から案内を受けているというオチ。最後はプールサイドから市長が「君も一緒にプールに入らない?」と女性に声をかけるが、袖にされるという内容だった。

 「市長の判断」

 松本市長は報道があった当日の23年9月22日、会見を開き謝罪した。同27日の市議会定例会でも市議16人が緊急質問した。配信継続を疑問視する質問に、市長は「私の独りよがりな判断も背景にあった」とし、検証作業もあるため「拙速に(削除の)判断をしない」と答弁した。「削除ではなく、閲覧不可にするのはどうか」という問いにも「検証する元となったものが隠蔽(いんぺい)された、と誤解を与えかねないとの指摘もあった」とし、第三者に判断を委ねる方針を示した。

 大里千都美市民部経済文化局長は、投稿前に動画の確認ができていなかったことを釈明した。その上で「アップされた後に、やはり私も大変不快な思いを感じた」「不適切ではないか。ホテル側へ迷惑をかけるのでは、との危惧もあり市長へ申し伝えた。しかし、市長の判断により現在に至る」と答弁した。

 新日本婦人の会浦添支部は14日、市長が謝罪したにもかかわらずいまだ動画が見られることを問題視し、削除を求める会見を開いた。里道昭美事務長は「(市長は)本当におわびしているとは思えない」と話した。

 里道事務長は動画の問題点を「女性を性の商品として扱っている点だ」と指摘する。男性側が意図的に、あるいは無自覚に女性を下に見て行う性的嫌がらせは、日常のあらゆる場面である。改善に取り組む立場にある行政側が、その行為を助長するような演出の動画を作成したことに「ここまでならぎりぎり許されるだろうというふてぶてしさがある。公職に就く人がすべきことでない」と憤る。

 浦添市ソーシャルメディア調査委員会は、琉球大学法科大学院の矢野恵美教授(ジェンダー法)ら、行政やSNSの専門家ら4人が委員を務める。委員は動画の内容や事務処理の適切性を審議し、原因と再発防止策についても意見をまとめる予定だ。調査委員会による、市への審議結果の答申は、3月末とみられる。

 (藤村謙吾)