FMニライが3月末で閉局 沖縄・北谷町のコミュニティー放送局 経営難、事業譲渡もうまくいかず


FMニライが3月末で閉局 沖縄・北谷町のコミュニティー放送局 経営難、事業譲渡もうまくいかず 地域コミュニティー放送「FMニライ」の放送の様子=2010年、北谷町のFMニライ(那覇工業高校写真部撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 石井 恵理菜

 北谷町の地域コミュニティー放送局「FMニライ」が、3月末に閉局するとホームページで発表した。

 運営するニライ合同会社(読谷村)によると、経営面の厳しさと、放送免許の移行がうまくいかず閉局を決めたという。

 2004年に北谷町桑江にある「ちゃたんニライセンター」の開館に合わせて、「FMちゃたん」の名称で県内6番目のコミュニティー放送として開局。クレスト(嘉手納町)が09年に運営を引き継いだことをきっかけに、名称をFMニライに変更した。

 北谷町を中心に嘉手納町、宜野湾市を含む西海岸地域の情報を発信してきた。「北谷町だより」のほか、地域のお年寄りがしまくとぅばでトークする「沖縄しまくとぅば放送局」など、しまくとぅばの継承に力を入れた番組作りにも取り組んだ。

 ニライ合同会社はクレストが分社化して設立した新会社で、放送事業を引き継いだが放送免許を移行できなかった。年度初めから事業譲渡も検討したが、うまくいかなかったという。

 ニライ合同会社の池原稔代表は「しまくとぅばに興味を持ってもらうために音声メディアが必要だったが、経営が難しかった。リスナーの皆さんには、ラジオがなくなっても今後も地域コミュニティーを大事にしてほしい」と話した。

(石井恵理菜)