3歳からラジオパーソナリティー 24歳の取締役・照屋さん 「リスナーは相方」地域をつなぐ 沖縄・FMたまん


3歳からラジオパーソナリティー 24歳の取締役・照屋さん 「リスナーは相方」地域をつなぐ 沖縄・FMたまん 3歳からラジオパーソナリティーを務め、このほど取締役に就任した照屋亜紀さん=2023年12月26日、糸満市のFMたまん
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 【糸満】糸満市のコミュニティーラジオ局「FMたまん」で週5日、地域に元気な声を届ける若者がいる。24歳にしてパーソナリティー歴21年の「あーきー」こと照屋亜紀さんだ。昨年6月に取締役に就任し、コミュニティーFMの運営に必要な「第2級陸上無線技士」の国家資格も取得した。「リスナーは相方。人と人をつなげる番組をつくりたい」と意気込む。

 FMたまんは大半の番組が生放送。市民参加型で地域密着の情報を届ける局だ。照屋さんは3歳の時、いとこが出演した放送を聞き「自分も出たい」と父で初代社長(現会長)の新吉さん(68)に訴え、局の最年少パーソナリティーとなった。

 週1回、元気いっぱいの放送で市民に親しまれる一方、学業では糸満高校を卒業し、人体に興味を抱いて琉球大医学部保健学科に進学、看護師免許も取得した。昨春に卒業後は平日午後5~7時の情報番組「いちまんがいちばん! 76SUNSET+」を担当し、糸満中心に県内ニュースや天気予報、治安や告別式などの情報を伝えている。

 医学を学びつつも放送の道に進んだことについて照屋さんは「医療現場で働くより、学んだ知識を放送を通じ公衆衛生に役立てたかった」と語る。背景には、コロナ禍で感染症対策が社会課題となり人々が外出自粛も強いられた状況がある。「話題や音楽を届けるコミュニティーFMは、リスナーの精神面にも良い影響を与えるはずだ」

 土日は市内各地の伝統行事を取材し番組で様子を伝える。「ハーレーや十五夜祭りを練習段階から取材し楽しみ方を伝えるのは楽しい。地域が元気になる手助けをするのが役割」と立ち位置は明確だ。生放送中のリスナーからの電話では時にハプニングもあるが「作り込まない臨場感が持ち味。リスナーは番組を一緒につくる相方です」と笑う。

 より難易度の高い「第1級陸上無線技士」資格取得へ、沖縄水産高校専攻科の無線通信科に通学中だ。「今後は若い人に親近感を持ってもらうよう、同年代や学生向けの番組もつくりたい」と前を見据えた。

(岩切美穂)