琉球開びゃくの祖神アマミチューとシルミチューが居住したとされるうるま市浜比嘉島。この地に根差す比嘉区公民館は神事が多いのが特徴だ。旧暦の元旦に始まる御願踊り、4月の御願バーリー、6月の綱引きなど多彩な神事がある。五穀豊穣(ほうじょう)や平和を祈る踊りも盛んで「神の島」「踊りの島」とも言える。
今年は、丑(うし)年の時にだけ開催し、3日間にわたって琉球舞踊を踊り続ける伝統行事「大踊り(ウフアシビ)」が11月に開催される。コロナ禍で延期が続いたため、地域は本番に向けて気合十分という。1956年の第1回全島エイサーコンクールでも優勝したものの、今は地域外では見ることができない「比嘉エイサー」もまた有名だ。
伝統行事は住民が一致協力して行ってきたが、島外へ移り住んだ人やその子や孫も駆け付けて運営を支える。
そんな「神の島」には年間数十万人の人が訪れる。玉那覇清勇自治会長は「お祈りなどを目的に来訪する人も多い。ただ文化財でのごみ問題などもある。区への還元もまだできていないので、区の発展につながる仕組みも考えていきたい」と今後を見据える。
玉那覇清勇会長から一言 古代から現代までが連綿とつながることを感じさせる日本のどこにもないような地域だ。この魅力を守り、発信したい。
比嘉区メモ 2024年の世帯数は74世帯、140人。行事などは住民結束で行ってきたため、自治会の加入率は100%。
(島袋良太)