【那覇】那覇商業高校は18日、3月1日に同校を巣立った卒業生から寄せられた制服を新1年生に寄贈する「制服リレー」を同校の武道場で行った。那覇商業での制服リレーの実施は初めてで、卒業生から寄せられた制服はすべて希望者の手に渡った。制服リレーを企画した生徒会は「那覇商業の伝統にしたい」と意気込む。
制服リレーは今年1月、ある保護者から「制服の受け渡しをやっていないか」との問い合わせをきっかけに、生徒会が学校側に提案した。リレーに向けて生徒会では3年生への呼びかけや新1年生に向けての周知などを担った。
さらに、家庭クラブの生徒が制服の修繕などを行ったほか、教員も自前のハンガーを提供するなど学校全体で制服リレーの実現に協力した。
生徒会によると、卒業生から寄せられた制服は、ブラウスやブレザーなど女子生徒用の上着が36着、ネクタイが6本、学ランが2着、男性用ズボンが2着。18日は午後2時の開始直後からひっきりなしに新1年生やその保護者が訪れ、制服を手に取り、試着した。当初、午後4時までを予定していたが、開始から1時間程度ですべての制服がなくなった。
生徒会長の島袋恋さん(17)は「制服リレーで保護者の金銭的負担が軽減でき、卒業生にとってもせっかくの制服を捨てなくて済む。自分たちの代から制服リレーを伝統にしたい」と語った。副会長の池間妃音(ひなり)さん(17)は「予想以上の反響にびっくりしたが、実施して良かった。来年は私も制服を寄贈したい」と話した。
生徒会担当の仲里映理子教諭は「当初は制服の集まりもあまり良くなく、どうなるかと心配だったが、生徒たちの頑張りで制服リレーを成功させることができた。彼女らの頑張りで制服リレーは那覇商業の伝統になると思う」と語った。
(吉田健一)