ボリビア生まれ、県系2世の山城さん 憧れだった「沖縄で農業」 宜野座でバナナ栽培に挑む


ボリビア生まれ、県系2世の山城さん 憧れだった「沖縄で農業」 宜野座でバナナ栽培に挑む 宜野座村で農業を始めた山城将吾さん(左)と農業仲間の大月力さん(中央)、仲里大地さん
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 【宜野座】2023年11月に神奈川県から来県し、24年2月から宜野座村に住む県系2世の山城将吾さん(45)がこのほど、松田区に1650平方メートル(500坪)の農地を借り、念願のバナナ栽培を開始した。トラクターのすきの深さまで細心の注意を払う山城さん。宜野座村で農業仲間にも恵まれ、楽しみな日々だ。

 山城さんは、南米ボリビア生まれ。13歳で来日して神奈川県で暮らし、自動車整備士になった。しかし、沖縄での農業に憧れ、つてもないまま23年11月、南城市に移住した。宜野座村で光合成細菌を使った農業に取り組む仲里大地さんの記事を琉球新報(11月19日付)で読み、興味を持った。仲里さんと会うため松田区の農園「ピースフルファーム」を訪れ、圧倒的なバナナ群の光景に感動した。当時、農園を始めてわずか1年半だった上江田武信さんの大規模農業やビジネス構想にも感銘を受け、上江田さんに弟子入りを志願した。南城市から通い、交通費も大変だったが「やりたかった農業だから」と迷いはない。上江田さんの「ヤギの山学校」からも「農畜連携」を学ぶ。

 糸満に親戚もいるが、安定した職業を捨て沖縄に移住したとは言えず「農業で成功するまでは黙っておきます」と笑う。「目指す農業は1万坪」と気合十分だ。

 (池辺賢児通信員)