あの惨劇から79年、「命の尊さ」語りつなぐ誓い 読谷村のチビチリガマで慰霊祭 沖縄


あの惨劇から79年、「命の尊さ」語りつなぐ誓い 読谷村のチビチリガマで慰霊祭 沖縄 チビチリガマの中で祭壇に向かい、手を合わせる遺族ら=6日午後、読谷村波平(ジャン松元撮影)
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 【読谷】沖縄戦で米軍が沖縄本島に上陸した直後の1945年4月2日に、住民83人が「集団自決」(強制集団死)などに追い込まれた読谷村波平の自然洞窟チビチリガマで、6日午後、遺族会(与那覇徳雄会長)による慰霊祭が開かれた。遺族や関係者ら約40人が参加した。79年前に命を失った人々の冥福を祈り、平和をつないでいくことを誓った。

 昨年に続き、戦争体験者の高齢化が進み、生存者不在の慰霊祭となった。参加者らはガマの中にある祭壇に線香を立て、亡くなった人々に手を合わせた。与那覇会長の兄で母方の祖父母ら5人を亡くした与那覇徳市さん(81)は、世界で起こる戦争や、沖縄で軍備強化が進む現状に触れ「命どぅ宝」と繰り返しながら、「ここから平和を発信していく」と語りかけた。

 与那覇会長は「チビチリガマは命の尊さ、沖縄戦を物語る場所だ。世代を結ぶ平和の架け橋を担っていかなければならない」と継承への決意を新たにした。

 慰霊祭に参加した読谷村役場青年部の比嘉修平さん(27)は「慰霊祭は集団自決の歴史を学べる機会だ。積極的に参加して、次の世代につないでいきたい」と語った。

(金盛文香)