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久米島高で琉球藍育成 久米島紬の染料 まず7株「島全体に増やす」 沖縄


久米島高で琉球藍育成 久米島紬の染料 まず7株「島全体に増やす」 沖縄 久米島高校園芸科が育てている琉球藍
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

 【久米島】久米島高校園芸科は4月から、課題研究の授業の一環で、琉球藍(あい)を育てる取り組みを始めている。琉球藍は、琉球絣(がすり)など沖縄の染め織りに欠かせない染料で、久米島の伝統的な織物「久米島紬(つむぎ)」にも、しばしば用いられる。久米島高園芸科教諭の知念邦睦さんは「まずは親株の役割ができるようになるまで育て、久米島の家々に配り、島で安定して藍を育てられるようにしたい」と話す。

 久米島では、久米島紬で使う染料のほとんどを、島に自生する植物でまかなう。一方、琉球藍は、使用量が少ないことなどから、本部町伊豆味から購入している。久米島高では、藍を育てることで、島の伝統工芸への生徒の関心が高まることにも期待する。

 久米島高での琉球藍育成は、久米島紬大使で、昨年度に「久米島紬後継者育成事業研修」も修了した沖眞由美さんの声かけで始まった。沖さんは「琉球藍も島で育てられないか」と考え、本部町伊豆味や宮古島の琉球藍製造所を訪ね、自らの思いを伝えた。製造所は「活動を応援したい」と無償で琉球藍を提供し、沖さんに共感した久米島高で育成が決まった。

琉球藍の育成に取り組む(左から)久米島高園芸科の知念邦睦教諭、同3年の野村珀さん、大城蕉真さん、久米島紬大使で織子の沖眞由美さん=5月15日、久米島高校

 久米島紬事業協同組合の松元徹理事長は「沖さんはライフワークとして、久米島紬に魅力を感じてくれている。いろいろな立場の人たちが久米島紬を発信してくれることを、大いに歓迎したい」と活動を見守る。

 久米島高で育てる琉球藍は本部町伊豆味からもらった1株と、宮古からもらった6株の計7株。

 久米島高園芸科3年の野村珀さん(17)=兼城=は「日に弱いため、直射日光と乾燥に気をつけて、大きく育てたい」と意気込む。同3年の大城蕉真さん(17)=西銘=は「ここから増やし、島全体で育てていきたい」と話した。 

(藤村謙吾)