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東京・中野区から「エイサーアゲイン」合言葉に チャンプルーフェスタ20年目 プロジェクト始動<県人ネットワーク>


東京・中野区から「エイサーアゲイン」合言葉に チャンプルーフェスタ20年目 プロジェクト始動<県人ネットワーク> プロジェクトを開始する(右から)平良英之さん、上原慶さん、ヤムちゃん、(後列)来間祐一郎さん=都内
この記事を書いた人 Avatar photo 斎藤 学

【東京】中野区恒例の沖縄イベント「チャンプルーフェスタ」(同実行委員会主催)が20年目の夏を迎える。節目の年に合わせ沖縄伝統のエイサーを東京から盛り上げ、次代へ継承するプロジェクトを同区のエイサーシンカらが始める。紙芝居のメディア性を発揮して普及を図る一方、都内でエイサーの文化財登録も模索しており「子どもたちへエイサーの楽しさを伝え、担い手不足を解消する」と継承へ力を込める。

 プロジェクトを企画したのは、中野チャンプルーフェスタ実行委員会の副会長を務める上原慶さんと合同会社東京沖縄区代表社員の平良英之さん。「県外で暮らして初めて沖縄の文化芸能の素晴らしさに気付いた」と話す。一方でコロナ禍なども影響し、地元のエイサーの担い手不足もある。この課題をなんとかしたいと「エイサーアゲイン」を合言葉に企画を思い立った。

 プロジェクトの中心にいるのはプロ紙芝居師のヤムちゃんだ。東京五輪をはじめ各種イベントで活躍し「口演」実績1万回超を誇る。昨年、組踊を分かりやすく伝える取り組みで、あえて「レトロで新しい」紙芝居に着眼した。「大人も合点のゆく姿をみて、コミュニケーションにもってこいだ」と有効性を実感したそう。中野区を発信地に紙芝居を通じて「エイサーアゲイン」の声援を送る。

 戦後、郷友が集った「沖縄郷土の家」もあった中野区は、都内でも有数の沖縄コミュニティーが生まれた地。上原さんは「観光資源となっているが、中野で築かれてきたエイサー文化を今度は無形文化財として発展させていきたい」と根付いた文化を中野の地に刻む思いを語る。

 節目のフェスタは7月13、14日に中野四季の森などを会場に開催され、数々の伝統エイサーが繰り広げられる。紙芝居の制作の一方、フェスタを前に中野区や他地域での関連イベントを開催する計画で目標金額100万円のクラウドファンドも実施している。詳しくはhttps://motion-gallery.net/projects/eisa-again 

(斎藤学)