沖縄の色をドイツで 西原在住の新川さん、切り紙作品


沖縄の色をドイツで 西原在住の新川さん、切り紙作品 新川美千代さんが展示した切り絵作品=ドイツフランクフルト市のナクソスアトリエ(新川さん提供)
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 沖縄の色をドイツで―。西原町在住の切り紙作家の新川美千代さんが、5月28日から6月2日までドイツのフランクフルトで開かれた映画祭「第24回ニッポン・コネクション」に参加した。文化部門で折り紙をハート型に切り抜いて制作した切り紙を展示した。アーティストトークでは、切り紙の色から沖縄の現状を伝えた。

 新川さんがゲストアーティストとしてニッポンコネクションに参加したのは2018年以来2回目。22年には作品のみ展示された。

 切り紙作品は「千の記憶」と題して映画祭会場の一つナクソスアトリエで展示され、多くの人が鑑賞したり記念撮影をしたりした。ワークショップもあり、映画祭に訪れた人が切り紙を楽しんだ。

 切り紙で使用したピンク色は米軍基地のフェンス沿いで咲くキョウチクトウの色だ。新川さんはトークの中で「キョウチクトウは“基地の花”とも呼ばれている」と紹介し、米軍基地が沖縄に集中している現状や沖縄戦について説明。「一日も早く基地がなくなって自由に咲いてほしい」と強調した。「愛があふれる展示をありがとう」とのメッセージももらったという。

 新川さんは「基地や戦争に反対することを伝えるため、切り絵作家として色にこだわってきた。続けてきて、伝えることができてよかった」と振り返った。

(田吹遥子)