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「ちからタンナーパ」絵本に 伊江の民話 「英雄」結末2パターン作成 沖縄


「ちからタンナーパ」絵本に 伊江の民話 「英雄」結末2パターン作成 沖縄 伊江島の民話「ちからタンナーパ」絵を担当した図書館司書の名嘉原美寿乃さん
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 【伊江】伊江村立西小学校地域連携室で6月25日、伊江島の民話「ちからタンナーパ」の絵本のお披露目会が行われ、各教室にはオンラインでその様子が流れた。絵本は、絵本伊江島の民話第2集に収められている「ちからタンナーパ」を基にした幼・小向けと小中一般向けの2冊。絵を担当した同校図書館司書の名嘉原美寿乃さんが、ストーリーの違いを紹介した。

 幼・小向けは12ページ、小中一般向けは24ページ。名嘉原さんは「幼・小向けは、攻めてくる兵士をやっつけて島を救った英雄として褒めたたえられる場面で終了した。小中一般向けでは、その後のタンナーパが少しごう慢になり、力があることを自慢するようになる。ある日、夜中にタンナーパと呼ぶ声が聞こえ外に出ていった。あくる日、変わり果てた姿のタンナーパが発見されたという場面が追加されている」と説明し、「伊江島では、夜中に名前を呼ばれたら1回では外に出ないで2回呼ばれたら外に出るように、などの教訓として伝えられている。絵本制作委員会では、どちらも残して後世に伝えたいと、2パターン作成した」と紹介した。

 また、絵を描くに当たって「子どもたちに親しみやすいよう、細めの線や柔らかい色で人物を描き、怖い場面でも怖すぎないように気を遣った。絵本だけでなくアニメーションなど他の媒体でも使えるようにデジタルで描いた」と説明。「図書室に来る子たちがみんな真剣に読んでくれて、早く借りたいと発刊を心待ちにしている」と話す。

 伊江島の民話「ちからタンナーパ」は、城山の頂上にも足跡が残っており、子どもから大人まで誰でも知っているなじみ深い民話。伊江村教育委員会では2千円(税込み)で販売している。村民限定の特別割引あり。

 (知念光江通信員)