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健康増進へ産官学連携 宮古島・4者協定 給食や食育、効果測定も


健康増進へ産官学連携 宮古島・4者協定 給食や食育、効果測定も 包括連携協定を締結した宮古地区医師会と市教育委員会、沖縄食糧、医食同源生薬研究財団の関係者ら=19日、宮古島市平良東仲宗根の同医師会事務所
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

 宮古地区医師会と宮古島市教育委員会、沖縄食糧、医食同源生薬研究財団の4者は19日、産官学が協力し、未来を担う若年層の健康増進と、地域の医療費の抑制に向けた健康づくりを地域全体で取り組むとした包括連携協定を締結したと発表した。市平良東仲宗根の同医師会事務所で会見を開いた。結の橋学園(伊良部島小中学校)で週1回以上、ロウ層除去玄米を給食で提供し、食育の講話などを通じて家庭や地域の食に対する意識の改善を図る。

 地区医師会によると、宮古島市は県内自治体の中でも成人のメタボリック症候群や肥満、高血圧の割合が高く、がんによる死亡率も全国平均よりも高いという。

 4者が協力して、通常の玄米より食べやすく、消化にも良く、栄養価も変わらない「ロウ層除去玄米」を結の橋学園で週1回以上提供し、学校検診や体力測定のデータを分析して、その効果を計る。2年かけて取得したデータを1年かけて解析し、効果が認められれば、ロウ層除去玄米の提供を市内の小中学校に拡大する予定だ。

 食育の講話なども開催し、児童生徒や家族、地域に健康増進の意識改善を図る。

 会見で地区医師会の竹井太会長は「子どもたちの未来は大人から影響を受ける。大人がつくった不健康を次の世代に残していいのか、ということが私たちの大きな課題だった。子どもたちの未来を見据えた健康管理が重要だ」と協定締結の意義を強調した。大城裕子教育長は「子どもの肥満は運動嫌いや食への欲求を自制できなくなるなどの悪循環を起こし、健康障害へとつながるおそれがある。肥満の改善解消は市教育委にとっても喫緊の課題になっている」と述べた。

 (友寄開)