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お笑い芸人・じゅん選手、銀天街に「め~Bar」オープン おばあとの“思い出の地“、盛り上げたい 沖縄市


お笑い芸人・じゅん選手、銀天街に「め~Bar」オープン おばあとの“思い出の地“、盛り上げたい 沖縄市 銀天街にバー「め~Bar」をオープンしたじゅん選手さん=7月23日、沖縄市照屋
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 お笑い芸人のじゅん選手さんが7月に、沖縄市の銀天街にバー「じゅん選手のめ~Bar」をオープンした。かつて祖父母が店を切り盛りしていた銀天街は、じゅん選手さんにとって思い出の場所。「まちに活気が出れば」と意気込む。

「め~Bar」の店内。装飾やペイントなどにじゅん選手さんのこだわりが光る

 じゅん選手さんの祖母・大城良子さんが銀天街で15年ほど洋服屋を営んでいたため、幼い頃よく遊びに来たと言う。近年、再び仕事で訪問すると、にぎやかだった約30年前の市場との違いにショックを受けた。

 「活気があった頃を覚えているからさみしくなった」。ふと、幼い時に良子さんから将来の夢を聞かれ「おばあと一緒にお店をやる」と答えていたことを思い出し、出店を決意した。人通りが少ない銀天街への出店に周囲は反対したが、「誰かが興さないとまち自体がなくなってしまう」と決意を固めた。

銀天街の通り

 昨年売りに出た店舗物件を購入した。そこはたまたま、良子さんの店の跡の向かいの場所。工事現場で働いた経験もあるため、使い古された店内を自らの手でリフォーム。仕事後に通いながら約1年かけて完成させた。

 店名は、じゅん選手さんのトレードマークである前歯のウチナーグチ「めーばー」にかけて「め~Bar」と命名。店内には「前のスナックの常連客に悲しまれないように」と、元の店舗の看板「まごころ」を描くなど、随所にこだわりも。料理も提供し、歌や三線を披露できる芸達者な店員もそろう。楽しい雰囲気が人気で、県内外からの客で盛況だ。7月5、6日に手作りで開いたオープニングイベントでは、千人以上が訪れた。

「め~Bar」の“前身”であるスナック「まごころ」の看板や、じゅん選手さんの祖母が経営していた洋服店の看板などが描かれた店内

 お笑い芸人の傍ら建設会社も経営していたじゅん選手さんは“二足のわらじ”に「慣れている」と話す。水ものといわれる飲食店のオーナーに不安も見せつつ「自分ができる限界までやってみたい」と意気込む。とは言え、本業はお笑い芸人。「芸事に支障がないようにバランスを取りながら店に出ています(笑)」

 天国にいる良子さんにも開店を報告した。「今はまだ『あんたなんでやったの』とも言われそうだけど」と苦笑いしつつも「でも、まちが変わりそう。行政も動き出したら栄町のように盛り上がるかもしれない」。期待を込め、前を見据えた。 

(田吹遥子)