27日、国の重要無形民俗文化財に指定されている大宜味村塩屋湾のウンガミ(海神祭)や今帰仁村古宇利、国頭村比地・奥間でウンジャミ(海神祭)が開催され、各地の住民らは五穀豊穣(ほうじょう)や豊漁を祈願した。
男女の神引き合わす 塩屋(大宜味)・古宇利(今帰仁)
古宇利と塩屋湾のウンジャミ(ウンガミ)は男女の神でつながりがあるとされ、どちらも旧盆明け最初の亥(い)の日に開催される。27日、古宇利で行われた神事では集落内の神アサギや海岸沿いで白い衣装を着た女性3人がコの字に5回回って神を拝み、塩屋湾に向かって祈りをささげた。
今回は今帰仁村立天底小学校4年生の児童らが神事を見学した。神事の後には御願バーリーもあった。古宇利区の玉城章区長は「区民でも神事を見る機会は少ない。神事を見た天底小の子どもらが何か感じてくれるとうれしい」と話した。
祈願直後に大粒の雨 比地・奥間(国頭)合同
国頭村比地区の神アサギと奥間区のノロ殿内では、ウンジャミが合同で行われた。神人の女性を招いての儀式は6年ぶり。
神人による踊りのほか「イノシシ狩り」や「船こぎ儀礼(ウナバラシーギョージ)」が行われた。最後に鏡地の浜に移動し、厄払いとして、パパイアの中に死んだネズミを入れて海へ流した。区民らは「アミガラホーイ、イエーイヤ」と雨乞いの祈願をすると、祈りが届いたのか、直後に大粒の雨が降り始めた。
比地の大城健治区長(62)は「これからも区の歴史や伝統行事を学びながら継承に努めていきたい」と力を込めた。
(金城大樹、武井悠、玉寄光太)