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「慰安婦」の歴史伝え、女性の尊厳を守る世界へ 宮古島「アリランの碑」で集会 沖縄


「慰安婦」の歴史伝え、女性の尊厳を守る世界へ 宮古島「アリランの碑」で集会 沖縄 アリランの碑で開かれた集会で、女性の尊厳が守られる世界の実現に向けて思いを共有する参加者ら=8日、宮古島市上野野原
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

 「日本軍『慰安婦』問題を考える宮古の会」は8日、太平洋戦中に朝鮮人慰安婦が宮古島に連行された歴史などを伝える宮古島市上野野原の「アリランの碑」の前で集会を開いた。40人以上が参加し、戦争のない平和や女性の尊厳が尊重される世界の実現を祈った。碑は2008年9月7日に建立され、今年で16周年を迎えた。

 碑がある土地所有者の与那覇博敏さん(91)は、慰安婦の女性たちがいたことを忘れないために、との思いから同碑を建立するための土地を提供した。

 与那覇さんによると、1944年4月ごろ、同集落に住んでいた与那覇さんは、元兵舎だった建物に10人以上の女性がいたことを記憶している。「(当時は)なんで女性が兵舎にいるのだろう、と不思議に思っていた」と振り返る。後に周囲の大人から聞いた話で、そこが慰安所で女性たちは朝鮮半島から連れてこられたことを知ったという。

 集会では参加者がそれぞれマイクをつなぎ、慰安婦として苦しい体験をした女性や、いまだに戦争や性暴力事件が絶えない現状に対する思いを述べた。

 与那覇さんは、日本政府が慰安婦問題を矮小(わいしょう)化しようとしているとし、「日本国民は過去の歴史を謙虚に反省して、謝罪し償うべきだ。悲惨な戦争を繰り返さないための国民的世論を喚起しよう」と訴えた。

 宮古の会の上里清美代表(68)は、5月に宮古(下地島)―仁川線の定期便が就航したことに触れ「韓国人がこの場所を訪れる機会も多くなった。歴史を学び、友好を深めることができるような場所になってほしい」と語った。

(友寄開)