不発弾は、沖縄戦で使われた爆弾や砲弾が何らかの理由で爆発しなかったもので、殺傷力は戦後79年がたった現在も変わらない。起爆装置(信管)が取り除かれていないと振動などの刺激を受けて爆発する可能性があり、非常に危険だ。
県の推定では、沖縄戦で使用された弾薬は約20万トンで、うち5%に当たる1万トンが不発弾として残った。沖縄で発見される主な不発弾は、爆弾、砲弾、地雷、迫撃砲弾、手りゅう弾、ロケット弾の6種類で、最も発見頻度が高いのは海上から打ち込まれた5インチ艦砲弾だ。
不発弾処理の現場では、主に信管を取り除く作業が行われている。信管の取り方には、ディアマと呼ばれる機材で信管を打ち砕く方法と、手回しで取り外す方法の2種類ある。いずれも自衛隊員による手作業だ。
信管を取り除いた不発弾は、米軍基地内に運んで爆破処分、または契約企業に引き渡すなどして最終処分している。
信管が抜き取れない砲弾などの場合は、現場で爆破処理をする。2018年には那覇市宇栄原で発見された不発弾が信管が抜き取れない砲弾だったため現地で爆破した。
最近では、5インチ艦砲弾を処理できる密閉式の鋼の容器「耐爆容器」の運用も進んでいる。従来と比べて避難半径が縮小され、発見から処理までの時間も大幅な短縮が見込まれることから、住民の負担軽減や経済損失の減少などが期待されている。
(中村優希)