米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添市移設を巡り、沖縄防衛局は10日、環境影響評価(アセスメント)手続きの第1段階となる配慮書の公告縦覧を始めた。事業の実施想定区域の一部にサンゴ礁の被度50%以上の範囲が含まれるなど、予定地周辺の豊かな自然環境が改めて明らかとなった。
防衛局は同日、アセスとは別に、設計のためのボーリング調査の前段となる、不発弾の有無を確認する磁気探査を整備予定海域で実施した。
防衛局は配慮書で、総合的な評価として「今後の環境影響評価手続において実施する調査、予測及び評価を適切に行うことにより、事業実施に伴う重大な環境影響は、実行可能な範囲内で回避または低減できる可能性が高いと評価される」としている。
動物への影響では、重要な種延べ131種に「生息環境への影響が生じる可能性がある」と記述された。
専門家へのヒアリングでは「近年、当該箇所のサンゴ被度が高くなっていると推察される。影響が出ないようにすることは難しいが、可能な限り配慮していくべきだ」などの意見が出された。配慮書は県庁などで縦覧できるほか、沖縄防衛局のホームページでも閲覧できる。
(沖田有吾)
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