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村の若者の話がきっかけ 前例ゼロ、課題山積、共に乗り越え【伊平屋ムーンライトマラソン30年目の思い4】 沖縄


村の若者の話がきっかけ 前例ゼロ、課題山積、共に乗り越え【伊平屋ムーンライトマラソン30年目の思い4】 沖縄 伊平屋ムーンライトマラソンの開催に尽力した西銘真助さん
この記事を書いた人 Avatar photo 玉寄 光太

【伊平屋】今年で30回の節目を迎えた伊平屋ムーンライトマラソン。1995年の第1回大会まで、夜間のマラソン大会は国内にも前例がなく、ランナーたちの競技中の安全確保や海上輸送など多くの課題があった。当時、村企画財政課長として大会開催に奔走したのが、現村議の西銘真助さん(73)だ。西銘さんは「この大会は村民と共につくり上げたからこそ、30回目を迎えることができた」と力を込める。

 村には、伊是名村や伊江村のように大きなイベントがなかった。県内外から多くの人が集まるイベント開催を目指し、最後に出た案がマラソン大会だったという。西銘さんは、村の若者から、夜に走る時に月明かりがあると道が見えると聞き、夜のマラソン大会を企画した。

 国内で前例のない夜間のマラソン大会のため、特に道路使用許可を得ることが大変だったという。西銘さんらは諦めず、ランナーのライト携行とコースの照明灯設置、スタッフによる巡回などを行うことで安全確保をクリアし、道路使用許可を得ることができた。

 ある日、村の若者らと話していたところ「ムーンライト」という言葉を聞き、大会名に採用した。
 海上輸送の問題もあったが、伊江村からフェリーを借りて乗り越えたという。

 第1回大会は成功に終わった。ランナーが増えていき、村民も盛り上がる村の一大イベントとなった。

 西銘さんは「私はきっかけをつくったにすぎない。大会を通じて伊平屋のファンが増えていってほしい。村を盛り上げていくにはどうすればいいか、みんなで考えるきっかけにしたい」と期待感を表した。