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「東京オリンピックの木」友情は永遠に…クロキの“還暦”祝う 植樹の元農協職員ら 沖縄


「東京オリンピックの木」友情は永遠に…クロキの“還暦”祝う 植樹の元農協職員ら 沖縄 知念恒夫さんの自宅の庭で育った「五輪木」の前で笑顔を見せる元同僚ら=10日、うるま市具志川
この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報朝刊

 1964年10月10日の東京オリンピック開催を記念して、うるま市の知念恒男さん(84)と瑞慶覧長賢さん(82)、又吉映さん(84)の3人の庭に植樹したクロキが、今年樹齢60年の「還暦」を迎えた。植樹したのは旧具志川村農業協同組合の職員ら。10月10日、当時のメンバーが集結して黒木の還暦祝いを催した。

 還暦を迎えたクロキは、農協職員だった瑞慶覧さんと又吉さんが農家から実をもらい受け、東京オリンピックの開催記念として64年10月10日に種をまき、同僚たちと育苗したもの。育ったクロキは希望者に配布したが、その後の行方はしばらく不明だった。

 2014年に、瑞慶覧さんらの元同僚の天願早江子さん(85)が、知念さんと瑞慶覧さんと又吉さんの3人の庭にクロキがあることを突き止めた。

 仲間との絆と記憶をつなごうと、クロキに「五輪木」と名付け、3人の庭にある木のそばに「東京オリンピック記念木(五輪木)友情の絆永遠に!」と刻んだ記念碑を建立した。

 東京五輪から60年後、植樹メンバーが再集結し五輪木を囲んで還暦を祝った。又吉さんは「これからも大切に育てて子や孫たちにも伝え、素晴らしい記念木にしたいと思う」と話した。天願さんも「五輪木が縁で元同僚の皆さんと久しぶりに会うことができて、とてもうれしい」と笑顔を見せた。

(高原景一通信員)