2014年11月に83歳で亡くなった日本映画界を代表する俳優・高倉健さんをしのび、高倉さんと交流のあった石垣市立富野小中学校(伊舎堂用右(ようすけ)校長)は8日、代表作「幸福の黄色いハンカチ」にちなみ、黄色いハンカチ約100枚を校庭に掲げた。10日は高倉さんの命日で没後10年となる。児童・生徒は「すごくきれい」と風になびくハンカチを見上げた。
1999年、高倉さんが石垣島を訪れた際、たまたま立ち寄った富野小中で運動会を見たことをきっかけに両者の交流が始まった。地域の高齢者らも一緒になって楽しむ光景に感激した高倉さんは、その体験をラジオで話したほか、富野小中に直筆の手紙や双眼鏡などを贈った。
富野小中では毎年、高倉さんの命日前後に黄色いハンカチを掲げたり、関連資料を展示したりしている。今回も掲示板や図書館に、高倉さんの関連資料を展示した。全校生徒・児童14人のうち、この日出席した12人が教職員と一緒にハンカチをくくりつけたロープ2本を校庭を横切るように張った。21日まで掲げる。
小6で児童会長の大濵結愛(ゆな)さん(11)は「高倉さんは石垣で船舶免許を取っていて、運動会を見ていたことにもびっくりした」と感想を述べた。
中3で生徒会長の大濵姫愛(ひな)さん(15)は天国の高倉さんに「校訓の『美ら心』のようによい学校にしていきたいと伝えたい」と空を見上げた。
(照屋大哲)