26日に東京都で行われたプロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)。沖縄尚学高の仲田侑仁は広島から、ウェルネス沖縄のワォーターズ璃海が楽天から、4位で指名を受けた。両者とも学校でテレビ中継を見守る中、自身の名前が呼ばれるとチームメートや保護者、学校関係者らと喜びを分かち合った。父親が那覇市出身の古謝樹(桐蔭横浜大)は楽天から1位指名された。県勢ではこのほか、育成選手として東邦高の宮國凌空(宜野湾中出)がオリックスから3位指名を受けた。父親が県出身の宮里優吾(東京農業大)はソフトバンクから育成2位で指名された。
午後6時半過ぎ、広島から4位で名前を呼ばれると、沖縄尚学高の内野手・仲田侑仁(泊小―那覇中)は、安堵(あんど)の表情を浮かべた。沖尚高卒での支配下指名は初。「昨日の夜から緊張していた。楽しみでもあったが、不安の気持ちも大きかった。名前が呼ばれてホッとしている」と語った。
指名の状況はチームメートと見守った。4巡目に入り名前が発表されると、チームメートや学校職員から「うおー」と大きな声が上がった。
父親に勧められ、小学2年から野球を始めた。同3年で本塁打を初めて打つなど、この頃から既に強打者として頭角を現した。
高校では主砲として打線をけん引し、春夏連続の甲子園出場を果たした。「自分の強みは勝負強さ」との言葉通り、春の選抜では1回戦で満塁弾、夏の選手権では準々決勝の慶応戦で2点先制本塁打を放つなど、ここぞという場面で本領を発揮してきた。高校通算本塁打は22本だ。
高2にはプロ志望届を出すことを決意。技術力向上だけでなく、ごみ拾いなど生活面を整えるところから始め、自らを律してきた。広島について「チームワークが良い。ファンの応援もすごい」と印象を語る。憧れは巨人の岡本和真。「ホームランが打てるだけでなく打率も残しているところが理想。自分もチャンスで打てるバッターになりたい」と力を込める。現在は変化球への対応力を磨いている最中だ。「1人でも野球をしたいと思える人が増えるようなプレーをして、子どもたちに夢を与えたい」。そう語る表情には野球への強い思いがにじんでいた。
(砂川博範)
息の長い現役生活を
沖縄尚学高の比嘉公也監督の話 大学からでも高校からでも選ばれる難しさに違いはないが、高校から(の活躍)は難易度があがるだろう。選ばれることが目標ではないはずだ。持ち前の長打力と課題の守備力を伸ばし、息の長い現役生活をしてほしい。
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なかだ・ゆうと 一塁手、右投げ右打ち。2005年7月31日生まれ。186センチ、98キロ。泊小―那覇中―沖縄尚学高。