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7メートルを目標 己を超えていく パラ陸上走り幅跳びの又吉康十 <パリへ挑む沖縄県勢>


7メートルを目標 己を超えていく パラ陸上走り幅跳びの又吉康十 <パリへ挑む沖縄県勢> 男子走り幅跳び(義足T64)でパリパラリンピックの出場を目指す又吉康十=12月13日、大阪府枚方市のたまゆら陸上競技場
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 パリの舞台を照準に、2017年からパラ陸上を始めた。男子走り幅跳び(義足・機能障害T64)での出場を狙い、新天地・大阪に拠点を移して力を付けている。23年6月にアジア記録(当時)の6メートル65をマークし、「理想に少しずつ近づいている」と手応えを語る。

 短距離から走り幅跳びに転向した19年、すぐに日本新記録を出したが、それから2年間は記録が伸び悩んだ。コロナ禍の中は一人でトレーニングを積んだが、東京パラの出場はかなわず。21年9月、「本気になって、もっと高いレベルでやりたい」と、東京から大阪に移り住んだ。

 大阪では、東京パラ日本代表でパラ陸上の第一人者、山本篤の指導を受けている。義足を譲り受け、アスリートになるきっかけを与えてくれた人でもある。狙い通り、自身の日本記録を更新するなどめきめきと実力を伸ばしている。

 23年10月に初めて、日本代表として杭州アジア大会に参加した。記録は納得していないが、アジアで銅メダルを獲得した。世界選手権(5月、神戸)で7メートルの跳躍を目標に据える。「いくらでも改善の余地はある」。己を超えていく。 
(文、写真・古川峻)


 またよし・こうと 1994年9月1日生まれ。名護市出身。名護中―名護高―帝京平成大出、ZDCアスリート倶楽部所属。2015年に事故で左膝から下を切断した。