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「5大会連続出場」を目指し、力強く前へ パラ陸上車いすトラックの上与那原寛和 <パリへ挑む沖縄県勢>


「5大会連続出場」を目指し、力強く前へ パラ陸上車いすトラックの上与那原寛和 <パリへ挑む沖縄県勢> 合宿で汗を流す上与那原寛和=13日、沖縄市陸上競技場(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 2021年の東京パラリンピック。400メートル(車いすT52)と1500メートルで二つの銅メダルという「形あるもの」をつかみとった。しかし、24年のパリ大会では正式種目から1500メートルが外れた。それでも「あるものでいくしかない」と覚悟は決まっている。

 400メートルのベストタイムは59秒22、目標とするは58秒台だ。「0コンマ1秒でも速いほうを」。現在、東京パラ出場時とは異なるレーサー(競技用車いす)を使用する。ハンドリム(車輪の持ち手)の径、座の高さなど、速さを求めて日々調整を怠らない。

 10月の杭州アジア大会は400メートルで銀を獲得したが「後半の伸びが足りなかった」と反省する。「スタート、トップスピード、巡航速度、最後の粘り、一つでも欠けてはいけない」

 世界選手権(5月、神戸)で表彰台に立ち、世界ランキングを上げれば代表入りが見えてくる。「一発勝負。ここでしっかり取らないと」。レース展開を見極め、スパートをかけるのが持ち味。大ベテランは勝負の瞬間を見逃さない。パラリンピック5大会連続出場を目指し、力強く前へ進む。 
(文・名波一樹、写真・大城直也)


 うえよなばる・ひろかず 1971年5月22日生まれ。沖縄市出身、SMBC日興証券所属。4大会連続出場、08年北京はフルマラソンで銀、21年東京はトラックで銅メダル二つを獲得。