重量挙げの第32回全九州高校選抜大会が20日、熊本県の八代市鏡体育館で開幕した。順位とは関係なく記録会として参加した比嘉成(本部3年)は、普段出場する59キロ級よりも一つ下の55キロ級で、スナッチ89キロでジュニア日本新、ジャーク106キロとトータル195キロのいずれも高校日本新を打ち立てた。
男子81キロ級の安良城龍虎(宮古2年)がスナッチ96キロ、ジャーク122キロ、トータル218キロで優勝した。同73キロ級の鉢嶺元就(沖縄工2年)、同89キロ級の儀保知仁(豊見城2年)、女子49キロ級の大村朱音(沖縄工2年)はいずれも2位となった。
安良城、下半身の強化が奏功
男子81キロ級で九州を制した安良城龍虎(りゅうこ)(宮古2年)は「日頃の成果を出し切れた」と手応えを得た。
ジャークは自己ベストを2キロ更新。「力まず自分のペースでやれた」とうなずく。
「いつもは本番で動きが悪くなる」という不安を払拭できた。要因は確かな練習量で「スクワットが一番大事と考えていて、下半身強化に力を入れてきた」。離島ゆえに遠征費負担もあり、本島の小さな大会や合同練習に参加できず「経験値と刺激がもっとほしい」と渇望する。部員は6人だが声を掛け合って気持ちを高めてきた。
今大会は89キロ級の覇者に刺激を受けた。1年生ながらトータル268キロで圧倒した。
「こんな選手もいるのかと衝撃を受けた。もっと練習しないと」と思いをたぎらせた。
(大城三太)
比嘉 世界Jr.代表目指す
女子55キロ級の比嘉成(本部3年)がスナッチ2本目の89キロで堂々のジュニア(15~20歳)日本新記録を出した。「合宿が続き、詰め詰めの日程だった。そんな状況でも、この記録を出せたのはうれしい」と納得の内容だった。
本来はオリンピック階級の59キロで挑戦を続ける。55キロスナッチの日本新記録90キロ超えを狙い、一つ下の階級で出場した。「体重は2日ほどで落とすことができた」とするも本調子ではなく、3本目の91キロは失敗に終わった。
次は2月の全日本ジュニアを見据える。9月の世界ジュニア派遣代表枠を懸け、59キロで出場する。「標準記録となる188キロをしっかり満たし、5人のメンバーに選ばれるように、自己ベストも狙っていきたい」と目標へ走り続ける。
(大城三太)