空手道の県高校春季大会は3日、沖縄市のコザ高校で行われた。個人形男子決勝はコリンズ・ジョーダン・琉太(前原)が25・50点のスーパーリンペイで頂点に立った。女子は具志堅あい(浦添)が25・20点のアーナンで優勝を飾った。
勝ち抜き3人制の団体組手男子決勝で浦添Aが浦添Bを破って優勝をつかんだ。女子は普天間がコザを下し栄冠を手にした。
昨年12月の九州高校新人大会を勝ち進むことができず、全国選抜出場の切符を逃した具志堅あい(浦添2年)。自信を失い、不安にかられることもあったが、優勝を決めて「とにかく、ほっとした」と思わず涙をこぼした。「絶対に勝つ」と挑んだ今大会。予選は動きの感覚を確かめながら「(感覚は)良かった」と2位の選手と同点になりながらも、内容差で1位となり決勝に進んだ。
決勝では自身が学んできた劉衛流の代表的な形である「アーナン」を選択。しかし、「思いっきり打てていない」と動きに重厚感がなく、軽く感じてしまったという。演技が進むにつれて冷静になり、焦らないことを意識。動きに緩急をつけられるようになり、尻上がりに良くなっていった。
全国選抜出場を逃し、自信をなくしていたが、150センチの小柄な体型でも動きを大きく見せるため、筋力トレーニングに取り組んできた。決勝後は見ていた人から「筋力が上がったのが分かった」と言われたと語る表情はどこか満足そう。「自分がやってきたことを信じていけば結果につながってくれる」と涙を拭いて、集大成となる県総体に向け、さらなる高みを見据えた。
(屋嘉部長将)
コリンズ(前原)形男子V 九州王者の意地見せる
昨年12月の九州高校新人大会で優勝したコリンズ・ジョーダン・琉太(前原2年)が決勝で唯一の25点台を出し、優勝した。
大会3日前に体調を崩し、練習ができたのは大会前日。体力は戻っておらず万全な状態ではなかった。決勝では体勢が崩れてしまい、さらにスタミナが切れ始めたが「勝たないと駄目。最後は気合」と立て直し、九州王者としてのプライドを見せつけた。
3月には全国選抜が控える。勝ち進むためには、勝負できる形の種類を増やす必要がある。
今回は2番目に得意なスーパーリンペイで挑んだ。「もっと練習してレベルアップが必要」と反省を口にし、目標の全国ベスト8に向け、成長を誓った。
(屋嘉部長将)
普天間、組手女子V 大将平田、好機逃さず
女子団体組手決勝は普天間が制した。大将の平田彩華(2年)が決め、優勝を引き寄せた。
3人での勝ち抜き制、決勝の相手は2人での出場だった。大会初戦で2人抜きした先鋒(せんぽう)の宮城美琶(2年)が敗れ、続く中堅の津嘉山華楠(1年)が相手先鋒を倒すも次戦で敗北。勝負の行方は、平田に託された。
「ここで決める」と気合十分に最終戦に臨んだ。まずは上段突きで1点を先取。点を返されてもすぐに反撃した。
2―2で並んだところで平田が仕掛けた。前手での突きに相手の注意を引きつけ、自身の間合いに入った瞬間を逃さず前蹴りを決めた。「練習の成果が出た」と2点を追加した。その後も突きで点を重ねて6―3で勝利し、大将としての存在感を示した。
優勝の立役者は「2人(宮城と津嘉山)のおかげでここまでこられた」と仲間への感謝は忘れず。3月に全国の舞台へ挑む3人は「目指すは優勝」と声をそろえてさらなる飛躍を誓った。
(名波一樹)
浦添A 組手男子制す 川村、決勝の上段突き
2人対2人の同門対決となった男子団体組手決勝は、浦添Aが制した。
先鋒(せんぽう)同士が敗れ、中堅による最終戦。序盤は互いに有効打を決め切れなかったが、浦添Aの川村龍輝(2年)が「いつも通りの戦いだ」と冷静に上段突きで先取。相手も粘りシーソーゲームとなったが、2―2のまま試合終了。先取勝ちで浦添Aが優勝した。
優勝にも川村は「まだ全国には通用しない。技を磨く」と手放しでは喜ばなかった。先鋒を務めた桃原正舜(1年)は「龍輝さんを超えたい」と闘争心をかき立てた。
(名波一樹)