2021年に右肘靱帯(じんたい)の再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、昨季、本格的な1軍復帰となった横浜DeNAベイスターズの平良拳太郎(28)=北山高出。復帰2年目となる今季へ「チームが優勝できるように自分にできることを精いっぱいやりたい。先発投手として2桁勝てるようにする」と語る言葉に熱がこもる。
手術後で初の1軍となった昨季は開幕ローテーション入りを果たした。昨年4月5日、復帰登板となった古巣・巨人との試合で6回を被安打4、7奪三振、無失点で888日ぶりの勝利投手となった。その後はけが明けということもあり、登板間隔を10日前後空けて、マウンドに上がることが多かった。
5月までに3勝を挙げたが、6月の西武戦で負け投手となり、2軍で調整することとなった。その後は1軍に昇格しても、なかなか勝ち星が付かなかった。最終登板となった9月のヤクルト戦では昨季最長タイの7回を投げて、約4カ月ぶりの勝ち星をつかんだ。本格復帰となった1年間を4勝4敗、防御率3・49で終えた。「約2年ぶりに1軍で投げて、疲労感がなかなか取れず中盤で勝てなかった」と振り返る。
「(今季は)しっかりコンディションを整えて、常にいい状態で投げられるようにしたい」と、オフは筋力強化に励んだ。下半身を中心に、偏って筋肉を使わないように練習の量も質も上げてきた。投球では「もう少し曲がるはずだった」というスライダーの改良に着手した。同い年の同僚・東克樹の曲がり幅の大きいスライダーを参考にし、東に投げるときの意識などを聞いた。東も平良と同じトミー・ジョン手術を受けており、術後3年目だった昨季に16勝を挙げ最多勝と最高勝率の2冠を獲得。平良も今季で術後3年となるので、活躍の足がかりにしたいところだ。
エース今永昇太が米大リーグのカブスへ移籍。トレバー・バウアーも米大リーグ復帰を目指し自由契約となっており、チームの先発は手薄となっている。平良の活躍にも期待がかかっており「けがすることなく、1年間やりたい。とにかく勝つことでチームに貢献したい」と今季に挑む。
(屋嘉部長将)