打倒オリックス・バファローズを掲げる福岡ソフトバンクホークス。シンカーが武器の右腕、東浜巨(33)=沖縄尚学高―亜細亜大出=は「規定投球回数(143回)のクリアが最低だ」と力を込め、開幕ローテーション入りを目指し準備を進めている。
キャンプ初日の1日からブルペンに入り、カーブを交えて36球を投げた。第2クール初日となった6日は真っすぐを中心に78球。コントロールや細かい変化も意識しながら、「体も順調といえば順調だ」と手応えを感じている。
今季12年目。プロ入り以来、ソフトバンクで腕を振ってきた。2017年には16勝を挙げてパ・リーグ最多勝に輝き、チームはその年から4年連続日本一を達成した。しかし、それ以降は日本シリーズ進出も逃している。昨季はリーグ3位と、チーム成績は下降気味だ。
軸として期待された東浜は昨年開幕から2連勝するも、シーズン終盤には2軍に降格した。17試合の先発出場で6勝7敗、防御率4・52の成績で終えた。「思うように結果が出なかった。後半は試合で投げられる状態でもなく、悔しいシーズンだった」と唇をかむ。
昨季10勝の有原航平、8勝の和田毅は開幕ローテーション入りが明言されている。残りの椅子を懸けて、東浜と同じく最多勝に輝いたことのある石川柊太らと競う。「ローテ争いに勝つための準備をする。3月に入ってのオープン戦が本番だ。キャンプでやり残しがないようにしたい」と実戦へ向け、覚悟を示す。
開幕に向け、「一番はイニング数にこだわる。160、170回と投げられれば、それなりの数字は付いてくる」と展望を描き、具体的な勝利数は意識しない。「勝ち星にとらわれずに、しっかりと自分の仕事をする」と気合十分だ。
毎年、年末には沖縄で子どもたちを対象にした野球教室に参加している。「(今年は)教室の子どもたちに胸を張れるような活躍をしたい」と気を引き締める。チームの力となり、4年ぶりのリーグ優勝と日本一へ導くつもりだ。
(名波一樹)