宜野座―興南 5回2死二塁、先制点を狙う宜野座の二走・比嘉快風（右）を本塁で阻止する興南の仲本大政＝1日、沖縄セルラースタジアム那覇（ジャン松元撮影）
琉球新報社 第71回県高校野球春季大会（県高野連主催、琉球新報社共催）第10日は1日、沖縄セルラースタジアム那覇で、天候不良で継続試合となった興南―宜野座、順延されたエナジック―ウェルネス沖縄の準決勝2試合を行った。興南は宜野座を2―1で破り、エナジックはウェルネス沖縄に8―0で七回コールド勝ちし、それぞれ決勝へと進んだ。興南は3年ぶり15度目の決勝進出、エナジックは初の決勝進出を果たした。決勝は6日、同球場で10時から行われる予定。
堅実野球、攻守で支え
扇の要として要所を締めチームを勝利に導いた。捕手・仲本大政が広い視野で宜野座の好機をつぶし、巧みなバットさばきで走者を進めた。興南の堅実な野球を攻守で支え、宜野座を2―1で下した。
五回の2死二塁。安打で本塁を狙う相手走者を仲本がタッチアウトに。続く六回1死一塁の場面では、二塁手の島田潤正がリードする1走に忍び寄った瞬間に仲本が送球。あうんの呼吸で勢いをつぶした。「前のイニングから話していた」と連係プレーが光った。
そして両者無得点で迎えた七回無死一塁。「できることを」と仲本は低めの球を転がし、難しい送りバントを成功させた。直後の打者は右飛とされたが、1番・仲田陽が2死二塁から内角直球を打ち返す。白球は右方向への適時三塁打に。追加点も挙げ、七回で2―0と勝利に近づいた。
ただ、八回は「配球ミスもあった」と1点を奪われた。それでも2死満塁のピンチは、「（自分が）抑える」と仲間駿が滾（たぎ）る思いでマウンドへ。カットボールで詰まらせ、一邪飛に仕留めた。以降も無失点で投げきり、救援の仕事を果たした。
我喜屋優監督は「（秋に比べて）野球も分かってきて、自主的に考えてくれている」と熱戦を制したチームをたたえた。
（名波一樹）
宜野座、一歩届かず 九回好機で続かず涙
宜野座はもう一歩のところまで興南を追い詰めた。中学時代に全国大会出場経験のある面々がそろうが、石川晄大主将が全十字靱帯（じんたい）損傷で無念の欠場。「その分まで戦う」（漢那透和副主将）と勝利への執念を燃やしていた。
七回に2点を先行されたが、2度の好機をつくり、同点、逆転まであと一歩と迫った。八回2死一、二塁で仲松将吾が左中への適時打で1点を返す。四球を挟んで2死満塁の場面。比嘉直寿が内野フライに倒れた。「力が入ってしまい、体が開いてしまった。必ず夏に挽回したい」と誰よりも悔しがった。
九回は漢那透が中前へはじき、続く打者が犠打でつなぎ2死二塁に。一打出れば同点という好機だったが、山城蓮が中飛で打ち取られ、涙をのんだ。
漢那透は「冬は沖縄一と言えるぐらいの練習をしてきた。課題となった打力を見詰め直したい」と雪辱を誓った。
（大城三太）
宜野座
000 000 010 ｜1
000 000 20×｜2
興南
（宜）比嘉快、比嘉恵―比嘉直
（興）比嘉、仲間―仲本
▽三塁打 仲田（興）
▽二塁打 比嘉直（宜）
