第71回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)は6日午前10時から、沖縄セルラースタジアム那覇で決勝を行う。第1シードで3年ぶり15度目の決勝進出となる興南と、ノーシードから初の決勝進出を果たしたエナジックが対戦する。優勝校は、第154回九州地区大会(4月20~25日、佐賀県)への出場権を得る。決勝戦を前に、頂点を懸けて争う2校の戦力を紹介する。
(名波一樹)
[エナジック]高い機動力 小技も駆使
創部3年目のエナジックはノーシードから勝ち上がり、シードの沖縄尚学、昨春覇者のウェルネス沖縄と強豪を撃破し勢いに乗っている。打率3割6分1厘の強打に加え、盗塁数が1試合平均5・2、犠打は同2・6と機動力や小技も駆使する。
攻撃は1番イーマン琉海が4割7分4厘の打率を誇り、8番知花泰空は計5盗塁で多くの得点に絡む。7番で捕手の龍山暖は初戦でランニング本塁打、準々決勝では三塁打を2本放つなど打撃力に定評がある。
龍山は長打力に加え、捕手としての判断力にも優れる。準々決勝では、1死満塁のピンチで本塁で3走をアウトとした後、三塁へ駆ける2走を刺して併殺とする好守備を見せた。
投手陣の中心・古波蔵虹太は鋭いスライダーで空振りを誘い、左腕・松田凜翔は緩急で打ち取る好投手だ。強打を発揮しながら、小技や高い機動力を生かして得点につなげれば初優勝に大きく近づける。
[興南]攻守に安定 高い総合力
秋王者で第1シードの興南は、高い総合力で順調に勝ち上がってきた。チーム打率3割7分2厘、失策は1試合平均0・75と好成績をマークし、攻守で安定する。
2~3投手の継投で試合を展開し、平均失点は4試合で1・5。接戦となった宜野座との準決勝で存在感を示したのが仲間駿だった。満塁の危機で登板、得意のカットボールで詰まらせフライに打ち取り、無失点で切り抜けた。投手陣で唯一の新2年生・比嘉澄久は、140キロ超の速球で三振を奪い、防御率0・75と力がある。
打線をけん引するは打率4割7分1厘のリードオフマン・仲田陽だ。昨秋は4番を担ったが、今春は1番で立ち続ける。準々決勝では2死満塁で三塁打、準決勝は2死2塁から先制打を放つなど、好機に一打を出せる勝負強さがある。
8番で捕手の仲本大政は適所でバントなど小技も見せる。チームが攻守で力を発揮すれば、勝利を引き寄せることができる。