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柔道 宮城(那覇西)男子100キロ級V 返し技狙い、豪快裏投げ<2024県高校総体>先行競技


柔道 宮城(那覇西)男子100キロ級V 返し技狙い、豪快裏投げ<2024県高校総体>先行競技 男子個人100キロ級 裏投げで1本を奪い、喜びの表情を見せる那覇西の宮城祐雅=26日、那覇市奥武山の県立武道館(大城三太撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 三太

 県高校総合体育大会は26日、先行開催の6競技が各地で行われた。柔道は個人戦が行われ、男子66キロ級は小平健太(沖縄尚学)、100キロ級は宮城祐雅(那覇西)、女子63キロ級は伊東愛姫(沖縄尚学)、70キロ級の與那はるな(糸満)らが頂点をつかんだ。


 男子100キロ級の宮城祐雅(那覇西3年)は個人戦初制覇に感極まった。相手は昨年10月の新人大会で敗れた小橋川孝也(沖縄尚学2年)。積極的に攻めたが、なかなか技が決まらない。

 延長に突入してからは「返し技を狙おう」とスタミナを切らさずに攻め続けた。互いに奥襟を取り合う展開の中、相手が得意の大内刈りを仕掛けてきたタイミングに合わせ、裏投げで豪快に投げ飛ばし1本。左手で相手の左脇腹部分の胴着をしっかりつかみ、うまく相手のバランスを崩した。

 「気持ちで負けないように。自分が勝たないとという気持ちだけだった」と重圧をはねのけ、勝利の瞬間は歓喜の表情になった。

 1強状態にある沖縄尚学を倒すことを目標に糸満、豊見城南の選手と毎週合同練習を重ね、大会では互いに応援に回った。

 「那覇西ここにあり」を示そうと、同じ3年の仲間と勝利を誓い合っていた。昨年の県総体で優勝した66キロ級の知念琉稀が決勝で惜敗し、60キロ級の津波古真暉は準決勝で姿を消した。「2人が負けたのを見て落ち込んでいた」と弱気になりかけたが、自らを奮い立たせた。温和な主将は「横田三四郎顧問がやる気を与え、部員同士も仲がいい」とチーム那覇西を誇った。

 (大城三太)


対策講じ、虚を突く1本 與那(糸満)女子70キロ級優勝

 女子70キロ級の與那はるな(糸満3年)は、相手の奥襟と右手の袖先をがっちりつかみ、払い腰で爽快になぎ倒した。「相手の得意とする右組み手への対策をしてきた。左襟を取って、うまく引き寄せることができた」と虚を突く1本につなげた。

女子個人70キロ級 勝敗を決する払い腰を仕掛ける糸満の與那はるな
女子個人70キロ級 勝敗を決する払い腰を仕掛ける糸満の與那はるな

 激しい組み手争いを制したことで、「なかなか間合いに入れなかった」という状況を打破し、素早く技につなげた。

 「九州に2度、全国に1度出場しているがまだ勝利がない。奥襟をつかんで相手の体力を消耗させて、得意の大外や内股で攻めたい」と県外選手からの勝利に意欲を燃やした。

 (大城三太)


激闘の末、僅差で勝利 小平(沖尚)「結果で恩返し」

 男子66キロ級の小平健太(沖縄尚学2年)は激闘の末に勝利をつかんだ。昨年覇者の知念琉稀(那覇西3年)と組手争いで応酬が続いた。主導権を握ろうと、我慢強く相手を崩す機会をうかがい、得意の内股や小打ち巻き込みを狙った。実力が均衡する者同士で何度も粘り強く攻めをしのぎ、最後は僅差で勝利した。

男子個人66キロ級 相手の仕掛けに対し、粘り強く耐える沖縄尚学の小平健太(下)

 島根県隠岐の島出身。「沖尚のコーチから誘いの声がかかり、沖縄で柔道をさせてもらっている。いろんな人に支えられていて感謝の思いばかり。結果で恩返ししたい」と熱いまなざしを向ける。

 新垣琢也監督は「末っ子気質で甘えん坊な部分もあるが、沖縄の他の選手たちの刺激にもなっている。ちょっとした差が勝敗を分けると伝えていた」と粘り勝ちを評価し、これからの成長に期待を込めた。

 (大城三太)