県高校総合体育大会は26日、先行開催の6競技が各地で行われた。空手の団体組手は男子浦添が2年ぶり7度目、女子前原が初優勝を果たした。バドミントン男子団体はコザが3―2で糸満に競り勝ち、女子は普天間が3―2で糸満との接戦を制した。卓球の男子ダブルスは玉城廉・福地悠太(那覇)、女子は原國柚月・上原南羽(糸満)が優勝した。テニス団体は男女とも沖縄尚学が制した。
悲願の初優勝を果たした前原は感涙にむせんだ。決勝リーグ最終戦の相手は、3大会連続覇者の浦添を予選で退けた那覇国際。副将戦終了後は2―2と両者一歩も引かない展開だった。運命は大将の内間優凜(2年)に引き継がれた。
試合は序盤からにらみ合いが続く。「自分から攻めれば、隙(すき)を突かれて先取されるかもしれない」と頭をよぎる。
約1分に及ぶにらみ合いの均衡を破ったのは内間だった。一気に踏み込み、得意の上段突きを繰りだした。「会場の歓声にスイッチが入った。仕掛けていこうと思った」
相手の虚を察知し、素早く攻め込んで4点全てを上段突きで獲得した。試合終了後、ほっとした表情を浮かべた。駆け寄ってきたメンバーの顔を見ると、一気に涙がこぼれ落ちた。
![女子団体組手優勝の前原](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/05/10-7-1.jpg)
成海結愛主将(3年)は昨年9月に左足の前十字靱帯(じんたい)を断裂。試合には出場できなかった。「後輩に委ねた。絶対優勝をつかんでくると信じていた」と手で涙を拭った。
「九州と全国でも結果で周りに恩返しがしたい」と笑みがこぼれた。
(渡真利優人)
主将川村、底力を発揮 浦添男子、7度目の頂点
2年ぶりの優勝を手にした浦添。観衆の盛り上がりとは裏腹に、選手は冷静な表情を崩さなかった。川村龍輝主将(3年)は「(優勝は)うれしいが、積極的に前に攻める試合ができなかった」と反省を口にした。
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/05/10-6.jpg)
決勝リーグ最終戦の相手は沖縄尚学。互いに2勝0敗で進み、優勝が決まる大一番だった。一進一退の攻防を繰り広げ、結末は大将の川村に託された。序盤から上段蹴りを繰りだすなど、果敢に攻め立てた。「前に出て、自分の流れに持っていきたかった」
出鼻を狙った上段突きと上段蹴りを巧みに使い分け、相手に隙(すき)を見せなかった。大将戦は7―1で勝利し、主将として底力を発揮した。チームの共通認識である「負けないという気持ち」を最後まで維持し続けた。
![男子団体組手で優勝した浦添](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/05/10-5.jpg)
「結果に満足せず、前に出る空手を突き詰めていく」と向上心を見せた。
(渡真利優人)