県高校総合体育大会の第8日は8日、金武町フットボールセンターでサッカーの男女決勝が行われた。男子は那覇西が延長逆転で興南を破って、2年ぶり19度目の頂点をつかんだ。
苦杯をなめ続けた那覇西が優勝旗を手に歓喜した。昨年の県総体は準々決勝で敗退。新チームで挑んだ2月の新人大会は決勝で宜野湾に敗れた。県内全域から集まった部員121人の大所帯。伝統の赤いユニホームに袖を通したレギュラーの選手たちに「常勝」の2文字が重くのしかかっていた。
後半5分に追加点を許し0―2と追い込まれた。「チームの雰囲気は最悪だった」(上地克幸主将)と一度は沈みかけたが、淡々とマイペースでパスを回し続けたチメズ・ビクター・チュクンマが5分後にゴールをこじ開ける。左コーナーキックから頭で決め、32分には中央から狙い澄ましたミドルで同点弾。チメズは「いつも通りやり通せば、勝てると信じていた」と心に余裕があった。
延長戦は本来のパスサッカーを生き生きと展開し、水を得た魚のように猛攻へとつなげた。前半早々にチメズのアシストから上地玲央が鮮やかに蹴り込んで逆転し、追加点も奪った。
中学時代のヴィクサーレ沖縄FCから6年間一緒にプレーする上地と亀田安澄(あすむ)が守備の要を担い、同チームで切磋琢磨(せっさたくま)した10番の與古田頼とも強い絆でつながる。
全国選手権の県予選は3年間、勝利から遠ざかっている。先輩たちから託された思いも糧としつつ、九州、全国で経験を積んで集大成にどうつなげるか。期待がかかる。
(大城三太)
![優勝した那覇西の選手たち](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/06/5-3-2.jpg)