有料

感謝の跳躍で表彰台狙う 走り幅跳び、三段跳び 喜久里彩吹(那覇国際) 全国高校総体きょう開幕


感謝の跳躍で表彰台狙う 走り幅跳び、三段跳び 喜久里彩吹(那覇国際) 全国高校総体きょう開幕 最後の全国総体に向け、練習に励む喜久里彩吹(那覇国際3年)=18日、南風原町の黄金森公園陸上競技場(屋嘉部長将撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 「駆け上がれ 夢の舞台へ 燃え上がれ 若人の魂」をスローガンに全国高校総合体育大会「ありがとうを強さに変えて 北部九州総体 2024」の総合開会式が27日、福岡県立久留米スポーツセンター体育館で行われる。今大会は福岡県、佐賀県、長崎県、大分県を主会場に北海道、福島県、和歌山県でも開催される。沖縄県選手団は26競技29種目に421人(男子249人、女子172人)が出場し、8月20日まで熱戦を繰り広げる。悔しさの乗り越え最後の全国総体に挑む選手や初の3連覇に挑むチームなどの思いを紹介する。

 県高校総体を女子走り幅跳び、三段跳びで3年連続2冠を達成した喜久里彩吹(那覇国際3年)が最後の全国総体へ挑む。鮮烈な高校1年生での全国デビュー、そしてけがで苦しんだ2年生。そこを乗り越え、今季は県記録を更新して、福岡の地に乗り込む。「わくわくと、最後だからやりきりたいという前向きな気持ち」と自然体で挑む。

 東風平小3年から陸上を始めた喜久里。転機になったのは現在も指導を受ける友睦物流の後間英生監督と中学2年の時に出会ったことだった。喜久里が4歳から習っていたバレエ仕込みの足首の強さを生かした練習などを重ね、中学3年生で全国中学校体育大会3位に入った。高校入学後に始めた三段跳びでは約4カ月後の全国総体で7位入賞を果たした。「怖いもの知らずで、勢いで行った」と振り返る。

 しかし、高校1年生の終わりに左のハムストリングをけがしてしまう。思うように練習が積めず、2度目の全国総体は走り幅跳び、三段跳びともに予選落ち。「不完全燃焼であっという間のシーズンだった」

 オフシーズンはけがをせずに「今までで一番、練習を積めた」と納得な期間だった。その結果は、今季の記録に表れた。

 5月に走り幅跳びの5メートル94で県記録、6月には三段跳びで12メートル39で県高校記録を更新。「去年よりも調子が上がっている」と手応えを感じている。

 大学受験のために、今大会で競技を離れる予定だ。酸いも甘いも知った高校3年間を「環境に恵まれ、多くの人に支えられた」と笑顔で振り返る。近づく全国の舞台と競技の終わりに「皆さんへ『ありがとう』と言える結果を残したい。入賞、表彰台を狙いたい」。自信に満ちあふれた表情で前を向く。

(屋嘉部長将)