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アーティスティックスイミング 演技に納得、はじける笑顔<熱戦パリ五輪 本紙・古川記者の現地リポート>


アーティスティックスイミング 演技に納得、はじける笑顔<熱戦パリ五輪 本紙・古川記者の現地リポート> デュエットTRで演技を終え、得点を聞き喜ぶ比嘉もえ(右)、佐藤友花組
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 アーティスティックスイミングのデュエット初日を終えた比嘉もえ(井村ク)は、ちらちらと採点者を気にしていた。大減点があるなど大会を通して満足いく結果は出していない。「何か話してる」。不安は増幅したが、佐藤友花(ジョイフルアスレティックク)と手をつないで待った。

 結果は7番目の出場で暫定1位。比嘉にパッと笑顔が弾け、何度も拳を握りしめた。「この大会で初めてほっとした」。背後から中島貴子HCに抱きしめられ、喜びを分かち合った。

 最初にアクロバットのジャンプを成功させると、その後もぴたりと足技をシンクロさせた。緩急や表情で「クールジャパン」を表現し、芸術点は95・65点と高得点をたたき出した。

 チームから切り替え「技の一つ一つに集中し、技のトランジション(つなぎ)を丁寧に確認した。冷静に試合ができた」とうなずいた。最終的に6位でメダルを狙える位置につけたが、ジャンプの高さや回転のスピードなど修正点はまだある。

 大会最後のFRは6月のワールドカップよりも難易率の合計を8点以上も上げており「今までで一番しんどい。本当に限界に挑戦している」と語る。「最高のパフォーマンスをして笑顔で終わりたい」と最高峰の舞台を泳ぎ切る。