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女子やり投げ・小田 唯一の50メートル超で栄冠 男子5000競歩・知念も優勝 陸上・九州選手権第1日


女子やり投げ・小田 唯一の50メートル超で栄冠 男子5000競歩・知念も優勝 陸上・九州選手権第1日 女子やり投げ 52メートル50を投げて優勝した小田まゆ(Fustar)=23日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(屋嘉部長将撮影)
この記事を書いた人 アバター画像 屋嘉部 長将

 陸上の九州選手権大会第1日は23日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われた。女子やり投げで小田まゆ(Fustar)が52メートル50を投げて優勝した。男子5000メートル競歩は知念凜斗(九州共立大)が後半追い上げて逆転し、21分43秒26で頂点に立った。男子3000メートル障害は9分26秒02で宮城壱成(育夢舎RC)が2位に入った。男子ジュニア円盤投げは46メートル35で奥間政和(那覇西高)、女子ジュニア円盤投げは35メートル65で宜野座彩未(中部商業高)がそれぞれ2位となった。


 女子やり投げで小田まゆ(Fustar)が唯一の50メートルオーバーとなる52メートル50で優勝した。「うれしいけれども、記録はもう少しほしかった」と笑顔で振り返りながらも、少し悔しそうだった。

 1投目から50メートル超を狙ったが、やりに角度がつきすぎて高く上がってしまい、距離が伸ばせなかった。2投目は角度は良かったものの足の踏ん張りがうまくいかず、3投目で角度や踏ん張りなどがうまくはまり51メートル73をマークした。後半は距離を伸ばそうと意識するあまり角度が上がって記録が伸びず、ファウルにした。最後の6投目はやりを抑えることを意識し、52メートル50と記録を伸ばした。

 2年前に結婚し、昨季までは旧姓の大城で試合に出場していた。今季から九州共立大の卒業生らで活動するFustarに所属し、さまざまな競技の仲間から刺激を受ける。ここ数年は50メートルを超えることは少なかったが、今季のシーズンベストは53メートル00と、結果を残してきた。

 今後は9月の全日本実業団や国スポが控える。「シーズンベストは確実に超えたい。自己ベスト(55メートル33)更新を目標にし、今季最後の大会になる国スポでは8位以上に入って、沖縄に貢献したい」と2019年以来の国スポ入賞を狙いにいく。

 (屋嘉部長将)


想定外の展開に対応 知念

 「今回はタイムではなく、優勝を狙っていた」という男子5000メートル競歩に出場した知念凜斗(九州共立大4年)が、21分43秒26で狙い通り地元優勝を果たした。

男子5000メートル競歩 スパートをかけた先頭を猛追し、逆転で1位となった九州共立大の知念凜斗(右)
男子5000メートル競歩 スパートをかけた先頭を猛追し、逆転で1位となった九州共立大の知念凜斗(右)

 ラストスパートに自信のある知念は「残り2周勝負」と後半に仕掛ける予定だった。先頭集団は6人で形成され、先頭を走る同じ大学の選手の動きをうかがった。残り3周になったところでその選手がスパートをかけ、集団の最後尾にいた知念は反応が遅れた。

 予定より少し早い展開となったが、落ち着いて対応した。2周をかけて先頭に追い付き、残り1周を過ぎてトップに出た。スピードを上げたが、すでに「余力がなかった」。何度も後方を確認しながらゴールを目指し、逃げ切った。

 今大会は順位を狙ったが、涼しくなって長距離の好タイムが出るこれからは、大学の先輩である米須一清の持つ20分54秒26の県記録更新に挑む。スパートをかけたときにフォームを崩さないようにし、最後の直線でさらにスピードアップするなど課題はある。それでも「(県記録更新を)やるんだったら、自分がやりたい。ここからはタイム勝負です」と笑顔を見せながら、自己ベストより約12秒先の県記録へ向けて闘志をみなぎらせた。

 (屋嘉部長将)


円盤投げ 奥間2位 総体の不調を払拭

 全国総体で円盤投げ10位だった奥間政和(那覇西高3年)が46メートル35を出して2位に入った。全国総体後、不調が続いていた中での記録に、安堵(あんど)した様子も見られた。

男子ジュニア円盤投げ 46メートル35を投げて2位となった奥間政和(那覇西高)

 全国総体を終えて、体の疲れもあった。距離を伸ばそうとして円盤に角度が付いてしまう状態が続き、不調のまま今大会に臨んだ。1投目は高く上がりすぎないように角度を抑えることを意識し、46メートル35を出した。2投目以降に記録の更新を目指したが、リリース時に円盤に角度が付いてしまい、最後まで修正できなかった。

 今季の九州や全国大会出場は今大会で最後となる。「あす(24日)の砲丸投げで自己ベスト(15メートル04)以上投げられるようにしたい」と、いい形で今シーズンを終えて新たなステージを目指す考えだ。

 (屋嘉部長将)


宮城 3000障害2位 終盤疲労で一歩届かず

 男子3000メートル障害で出場選手中3番目の資格記録を持ちタイムを持つ宮城壱成(育夢舎RC)が9分26秒02で2位に入り、「3位以内」の目標を達成した。

男子3000メートル障害 力走し9分26秒02で2位となった宮城壱成(育夢舎RC)

 出場選手で唯一、資格記録が9分を切る選手に先行された。1000メートルまでに10秒近く差をつけられたが、残り800メートルで4秒差まで縮めた。しかし、相手のスパートに対して疲労でペースを上げられず、最後は逃げ切られた。

 3000メートル障害で8分48秒87の県記録を持つ宮城。これから気温が落ち着くため、長距離にとっては有利な時期になる。「3000メートル障害や5000メートル、10000メートルでタイムを狙いたい」と意気込んだ。

 (屋嘉部長将)


宜野座 女子円盤2位 力みや焦りで記録伸ばせず

 円盤投げの宜野座彩未(中部商業高3年)は35メートル65で2位となった。今年の全国総体の予選通過記録だった39メートルを目指したが、緊張などで記録を伸ばせず悔しさが残った。

女子ジュニア円盤投げ 35メートル65を投げて2位に入った宜野座彩未(中部商業高)

 1投目から35メートル超を狙ったが、力みや焦りがあり、なかなか記録が伸びない。3投目で35メートルを超えたが、「ターンをうまくまとめられたが、スピードは出ていなかった」。後半の3投もうまくいかず、最終投てきで35メートル65とわずかに伸ばしたが「練習不足です」と納得はいっていないようだ。

 高校で競技から離れる予定のため、残る試合は秋季記録会のみになった。「自己ベスト(37メートル30)を更新して、できたら39メートル超えをしたい」と最後の試合に向け、気を引き締めた。

 (屋嘉部長将)