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<代執行反対県民集会>国主張「公益侵害」の根拠なく 加藤裕氏(県代理人・弁護士)


<代執行反対県民集会>国主張「公益侵害」の根拠なく 加藤裕氏(県代理人・弁護士)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 コロナ禍を挟んでおよそ3年ぶりに開かれた辺野古新基地建設問題を巡る大規模集会では、玉城デニー知事と行動を共にする県政与党県議や国会議員のほか、弁護士や若者代表らが、設計変更申請を承認しなかった知事判断に対する支持を表明した。「国による代執行を許さない」とした大会アピール文を採択し、辺野古新基地建設阻止の決意を改めて誓った。

 代執行訴訟で国は知事が公有水面埋立法(公水法)に違反していると言った。その根拠は(9月4日の)最高裁判決だとするが、判決はそんなことは言っていない。

 国土交通相の裁決に従わないことが違法だといっただけで、公水法違反について何も判断していない。その判決を根拠に公水法違反なんて、そんな手抜きの訴状はない。

 代執行の要件は、大きく分けて他に方法がないのか、公益を侵害していると言えるのかの二つ。

 他に方法がないのかという点では、こんなに巨大な公共事業について国と地方公共団体が話し合わずに進めるのはあり得ない。(今回の件で国は)対話を閉ざしていながら、他に手段がないから代執行するというごう慢な姿勢を示している。

 公益侵害について普天間基地の危険生除去は喫緊の課題だ、安全保障上も重要だと(国は)言っている。だが裁判は言うだけでは駄目。きちんと証拠を示さなければいけないが、国は公益侵害の根拠を示していない。

 裁判所をばかにするような、いい加減なことを国はやっている。

 知事は意見陳述で、民意こそ公益だと訴えた。地域の人々の暮らし、安全などが最優先されるべき公益ではないか。