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辺野古「承認」時の仲井真県政・知事公室長に聞く「日米にプレッシャー必要だった」 きょうで10年 沖縄


辺野古「承認」時の仲井真県政・知事公室長に聞く「日米にプレッシャー必要だった」 きょうで10年 沖縄 辺野古新基地の埋め立て承認当時を振り返り、普天間飛行場の5年以内の運用停止という要求について「政府にプレッシャーを掛けなければいけないと思った」と話す元知事公室長の又吉進氏=22日、琉球新報社
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、2013年に仲井真弘多知事(当時)が辺野古沿岸部の公有水面埋め立ての承認を表明した際、県の知事公室長として基地問題などを担当していた又吉進氏が26日までに、琉球新報の取材に応じた。13年12月27日の承認前、同17日に開かれた沖縄政策協議会で、仲井真氏が安倍晋三首相(当時)に求めた「普天間飛行場の5年以内の運用停止」について、当初から困難と予想していたとしながら「承認して終わりではなく、沖縄県として、日米両政府にプレッシャーを与えないといけないと考えた」と振り返った。

 安倍氏は仲井真氏から提案された際に「最大限実現するよう努力したい」とした。政府との明確な合意や約束はなかったという。又吉氏は「行政官としてのコアは普天間の危険性の早期除去にあった」と話し「すぐに『分かりました』と運用を止めるわけがないが、真剣に、少なくとも停止に向けた運用の低減を求めた。重要なのは、沖縄と政府の間で緊張感を持って議論する場を絶やさないことだ」と指摘した。先行して埋め立てられる辺野古の南側を活用して普天間の運用を減らす案なども模索していたという。

 19年2月までとされていた5年以内の運用停止は、今も実現されていない。又吉氏は、普天間の危険性が除去されていないことについて「慚愧(ざんき)の思い」と表現。現在の辺野古を巡る問題については「(建設を)止めるには、日米両政府が『もういらない』という状態に持って行かないといけない。日本政府を突き動かすようなムーブメントにしてアメリカに突きつけていく環境を作らないといけないが、具体的な戦略があるのかは疑問だ」と話した。

(沖田有吾)