米海兵隊は14日、昨年11月に起きた鹿児島県・屋久島沖での墜落事故を受けて飛行を停止していた米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイの飛行を再開した。普天間飛行場全24機中、琉球新報記者の調べでは延べ13機のオスプレイが本島中南部の住宅地上空や洋上で飛行した。事故原因の詳細などが説明されていないとして県や名護市、宜野湾市が反発する中、地元の声を顧みず運用停止から約3カ月を経て飛行を再開した。
国内でオスプレイの飛行が確認されたのは普天間飛行場のみ。県議会では与党が抗議決議や意見書の提案に向けて動き出している。
本紙記者の目視確認によると、1機目が同午前8時51分に離陸し、午後6時19分まで断続的に飛行した。宜野湾市や那覇市、浦添市上空で飛行が確認された。
玉城デニー知事は「事故の原因や対策が明らかになるまで飛行を再開することがないよう、再三求めてきたのにもかかわらず、飛行が再開されたことに強い憤りを禁じ得ない」と批判し、配備撤回を求めた。
在沖米海兵隊第1海兵航空団は14日、「計画的かつ慎重な飛行復帰作戦を実施し、全任務の練度を慎重に取り戻す」などと声明を発表した。米軍嘉手納基地に駐機する海軍仕様のCMV22オスプレイ3機は飛行しなかった。
市民団体「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」はオスプレイの飛行再開を受け、15日午後0時15分から那覇市の県民広場で抗議集会を開催する。(梅田正覚まとめ)