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うるまに水素出荷施設 県内初 26年完成、年31トン活用へ


うるまに水素出荷施設 県内初 26年完成、年31トン活用へ
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 りゅうせき(浦添市、根路銘剛宏社長)とうるま市(中村正人市長)は20日、同市の昭和化学工業の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)工場で発生した未利用の副生水素を圧縮・保管し、燃料として活用する県内初の水素出荷拠点を整備すると発表した。同工業敷地内に設備を新設する。2026年6月の完成を予定、年平均約31トンの水素量の活用を図る。年間で燃料電池車(FCV)340台の稼働が可能で、782トンの二酸化炭素を削減できるという。

 地産地消型の新たな水素エネルギー供給モデルを構築する狙い。当面は沖縄電力の発電に活用し、FCVやFCフォークリフトなどへ供給できるよう取り組みを進める。うるま市は将来的にFCデマンドバスの導入も視野に入れる。

 副生水素は苛性ソーダや塩素を製造する過程で発生する。今回の事業ではこれまで一部を除いて廃棄されていた水素を貯蔵するガスホルダー施設や圧縮機、不純物除去施設などを整備する。総事業費は沖縄振興特定事業推進費4億6600万円を活用し計5億8200万円。うるま市役所で根路銘社長と中村市長が会見した。

 根路銘社長は「うるま市を起点にモビリティ産業、電力分野の脱炭素を推進していく」と力を込めた。中村市長は「市内企業の水素利用が促進され、事業活動の安定性が確保されるとともに、沖縄全体の脱炭素推進に貢献する」と話した。

(梅田正覚)