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普天間飛行場の「飛行航跡」調査、公表せず 21年度から 防衛省「運用情報を保全」


普天間飛行場の「飛行航跡」調査、公表せず 21年度から 防衛省「運用情報を保全」

 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場=2023年12月

この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 【東京】米軍普天間飛行場の騒音問題を巡り、30日の参院外交防衛委員会で、伊波洋一氏(沖縄の風)が離着陸する航空機の飛行航跡調査結果を示すよう求めたところ、防衛省の大和太郎地方協力局長は「2021年度以降の分は米軍の運用情報を保全する必要性から閲覧公表を控えている」と明らかにした。

 大和局長は10年度の調査結果では「(定められた)飛行経路との差異が見受けられ、人口密集区域の直上の飛行も見られていた」とした上で「年度を経るごとに改善が見られる」と強調した。

 調査を開始した10年度から20年度までの分は沖縄防衛局で閲覧できる。当初は防衛局のウェブサイトでも公表していたが、18年にサイト上での公表を取りやめた。防衛局での閲覧は可能だったが21年度からは閲覧さえできなくなっている。

 伊波氏は日米合同委員会の下部組織として騒音問題について話し合う「航空機騒音対策分科委員会」が「15年以上」開かれていないことも指摘した。独自に防衛省から聞き取ったとした。大和局長は「(あらゆる)分科委員会の開催実績や頻度など詳細は米側との関係もあり、お答えしていない」として伏せた。

 伊波氏は「騒音問題がずっと続いているのに、正式に協議する機関である分科委員会が15年以上、開催されないのは異常な事態だ」と指摘し、防衛相の見解を尋ねた。木原稔防衛相は「今後も必要に応じて開催していく」と述べるにとどめた。

(明真南斗)