那覇市のまちぐゎー(商店街)を舞台にしたドラマ「甲子園とオバーと爆弾なべ」に出演する沖縄県出身女優の満島ひかりさんが15日、琉球新報の取材に答えた。満島さんが沖縄を舞台にした作品に出るのは小学6年生の時に出演した映画「モスラ2 海底の大決戦」以来。「久々に沖縄に帰ると肩こりがほぐれる。みんなに応援してもらい、やる気が出た。もっと元気になって、みんなにパワーを分けられる人になりたい」と笑顔で語った。
13歳で上京し「わざとじゃないけど帰って来ないようにしていた。東京で頑張らないといけない時に帰ると、ゆったりし過ぎて怖くなって」と振り返る。
今作の脚本・演出を務める中江裕司監督の作品には以前から出たかった。「エネルギーがすごくて、温かくて、ちょっとふざけていて、私の好きな沖縄が描かれている。監督に『一度出してもらえませんか』と話しに行こうかな、と思っていた矢先にお話を頂いたのでうれしい」
ドラマは食堂を営む老夫婦が主人公。沖縄水産の甲子園準優勝に沸く1990年の沖縄を舞台に、力強い庶民の姿や平和への願いを描く。「(主演の平良進さん、吉田妙子さんら)故郷の大先輩たちと同じ作品に出られるのが最高」と喜ぶ。
満島さんは息子を放課後、食堂に預けて昼夜働くシングルマザーを演じる。監督から細かくアドバイスをもらいながら自然体で臨んでいる。「撮影中は作品に対して頭の中がゼロの状態でやれる方がいい。商店街で撮影しているので通り掛かった人が声を掛けてくれることもある。そういう空気と一緒に(演技)できたらいい」
まちぐゎーではアクターズスクール時代に友人と遊んだ思い出がある。「懐かしい。こういう場所(昔ながらの商店街)が大きく残っているのは日本でも珍しい。久々に公設市場に行って、沖縄の豚はやっぱりおいしいなーと思いました」
昨年、事務所を離れてフリーランスになったことについては「100くらい理由はあるけど一番は体を休めたかった。まだ知らないことがいっぱいあるのに、知ったような気持ちになって疲れている場合じゃない」と明かす。今後の活動について「絶賛模索中。今沖縄にいることはすごくいい。もう1回新たな気持ちで好きなことをやっていきたい」と話した。