<金口木舌>島豆腐に押し寄せる時代の波

 国際基準という時代の波が沖縄の食文化に押し寄せている。あちこーこーの島豆腐が、55度を切って3時間以内に販売しなければならなくなる。これは難題だ

▼商品衛生法の改正で、2021年から国際的な食品安全管理基準「HACCP」(ハサップ)の考え方に基づいた食品管理が求められる。食の安全を保つための3時間。業界は対応を急いでいる
▼あちこーこーの魅力を守れるかの瀬戸際である。過去にも似たようなことがあった。1972年の復帰による食品衛生法の適用で、沖縄の豆腐業者は岐路に立たされた。保存法がネックとなった
▼法律では豆腐を水にさらして保存する決まりになっていた。ひじゅるーでは魅力がうせる。島豆腐の存続をかけ豆腐業者が団結して国に陳情した。そのかいあって、国は74年にあちこーこー豆腐の特例を認めた
▼消費者も豆腐業者を支えた。豆腐じょーぐーのエッセイスト宮里千里さんは著書「シマ豆腐紀行」に書いている。「沖縄豆腐を支えたのは家内工業的な豆腐製造業界の努力と、豆腐は熱いのが命なのよ、とばかりにひたすら買い支え食べ支えた消費者であった」
▼県豆腐油揚商工組合は新たな波に対応し「あちこーこー島豆腐保存プロジェクト」を始めた。工夫次第で沖縄の食文化は盤石となる。知恵のにがりを効かせたい。消費者もおいしい島豆腐を待っている。



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